トヨタがクロアチア・ラリーの事前発表に使用した2026年シーズンのラリーカーの資料写真

2026年WRC第4戦クロアチア・ラリーは4月9日から12日に開催され、1年間のブランクを経て世界選手権に復帰する。首都ザグレブを中心としていた従来の大会とは異なり、今大会の拠点は約150km南西のアドリア海沿岸のリエカに移り、サービスパークはグロブニク・サーキットに設置される。競技は全20のスペシャルステージ(SS)、計時区間の総距離は300.28kmを予定している。各チームがこれまでクロアチアで蓄積してきた経験は、変化に富む現地のターマックのグリップを理解するうえでは引き続き役立つものの、従来のルートでの経験をそのまま当てはめることはできない。大会発表によると、3つを除くすべてのステージが、WRCのクルーにとってこれまで走ったことのない道路となる。

今大会は、シーズン初の全行程が舗装路となるラウンドだ。モンテカルロもターマックが基本だが、山間部の積雪や凍結路面によってタイヤ選択が特殊なものになる。一方、クロアチアで焦点となるのは、舗装の違いやコーナーカットで路面にかき出される土、そして降雨の可能性だ。ドライバーはレッキで、コーナー、路肩、クレスト、ブレーキングポイントを改めて記録しなければならない。先頭のマシンがコーナーのイン側をカットして通過すると、それまできれいだったターマックに砂利がかき出され、後続車はペースノートと完全には一致しないグリップに直面する可能性がある。ひと雨で、同じタイヤの作動領域が短時間のうちに変わることもある。

トヨタは開幕3連勝を挙げて今大会に臨む。ソルベルグがモンテカルロ、エルフィン・エバンスがスウェーデンで優勝し、勝田貴元はケニアで自身初のWRCラウンド優勝を飾った。ドライバーズ選手権では現在もエバンスが首位に立ち、ソルベルグが8ポイント差、勝田はそこからさらに3ポイント差で続く。この3人のトヨタドライバーは、今回いずれもマニュファクチャラーズポイントの獲得対象となる。僅差のポイント争いは、チームとしての結果を目指すと同時に、チームメイト同士の順位争いも避けて通れないことを意味する。トヨタは、これまでWRCとして開催されたクロアチアの4大会すべてで優勝しているが、開催拠点も道路も大きく変わった以上、その記録が5度目の結果を保証するわけではない。

エバンスは2023年にクロアチアで優勝し、2位も2度経験している。事前テストでは滑りやすく泥の多いコンディションに遭遇しており、今年の海沿いの新コースでは、現地でペースノートの多くを書き直す必要があると認識している。ソルベルグはモンテカルロですでにRally1マシンによるターマックでの勝利を挙げているが、クロアチアのコーナーカットや汚れた路面は別の課題と捉えている。ケニアで優勝したばかりの勝田も、事前テストで大雨に見舞われ、さらには降雪もあったと語っており、クルーは晴天のドライ路面だけを想定したセッティングで準備するわけにはいかない。サミ・パヤリはトヨタの第2チームから出場する。スウェーデンとケニアでの連続表彰台が自信につながっているが、公式の総合成績はほかのRally1マシンと同じく集計される。

2026年のトヨタドライバー、エルフィン・エバンスとコ・ドライバーのスコット・マーティンの公式ツーショット

木曜日は午前に事前テスト、夜にリエカでスタートセレモニーが予定されており、大会の総合順位に算入される正式なSSは行われない。金曜日はクルーが西側のイストリア半島へ移動し、昼のサービスを挟んで4つのステージをそれぞれ2回走行する。8ステージの合計は126.86kmで、競技が行われる3日間のうち最も長い一日となる。23.78kmのステージはSS3とSS7で使用され、今大会で最も長い単独ステージでもある。同じ道路でも午前と午後で判断を変える必要がある。2回目の走行では砂利や泥の跡、ブレーキングポイントでの路面の摩耗が増える可能性があり、昼のサービスでは限られた時間の中でセッティングとタイヤを決めなければならない。

土曜日はリエカの東側へと舞台を移し、8ステージで合計115.96kmを走る。この日は通常の昼のサービスがなく、クルーに用意されるのはカルロヴァツでの15分間のタイヤ交換ゾーンのみ。マシンは午前中の消耗を抱えたまま、午後の再走ステージに臨む。この構成では、各ステージのリスクが互いに影響する。午前中に速さを追求してサスペンションやタイヤを傷めると、午後に修復できる余地は通常のサービスがある日よりも小さくなる。日曜日は南東のクヴァルネル湾に向かい、2つのステージを各2回、合計57.46km走行する。最終のSS20はパワーステージとして別途ボーナスポイントが与えられる。大会全体の累積成績による優勝と、最終ステージのボーナスポイントは分けて捉える必要がある。

Mスポーツとヒョンデにとっても、今大会はターマックでの好機となる。トヨタが開幕から勝利を重ねているからといって、両チームが新しい各ステージでそれぞれ競い合うことに変わりはない。クロアチアのわずか2週間後にはカナリア諸島でのラウンドが控えるが、両大会ともターマックで行われるとはいえ、ルートもグリップも同じではない。クルーはここで速さを築くと同時に、次戦に向けてマシンを温存しようとして、今回のポイント獲得を早々に諦めてしまうことも避けなければならない。開幕前に確認できるのは、参戦体制、ルート、そして選手権のポイント状況だ。テストで最速を記録したとしても、それが示すのはテスト段階のタイムにすぎず、公式順位の記録は金曜日の最初のSSから始まる。