10月4日のサルディニアのステージを33号車のトヨタで走るエバンスとマーティン

10月4日、2026年WRC第13戦ラリー・イタリア・サルディニアは、ソルベルグがラリー優勝、エバンスが年間タイトルを獲得して幕を閉じた。ソルベルグは最終的にもオジエを57.6秒上回ったが、最終ステージでタイトル獲得の可能性を失った。このステージはパワーステージと呼ばれ、上位5人に別途ボーナスポイントが与えられる。日曜の全ステージ合計タイムの上位5人にも追加ポイントがある。このためラリー総合首位を守るだけでは足りず、最終ステージのポイントをエバンスと争い続ける必要があった。

ステージ別タイム:最終ステージが2種類の得点を同時に変えた

日曜の4つの計測ステージはSS14からSS17まで。FIAが0.1秒単位で公表したタイムを合計すると、SS14~SS16はソルベルグが37分15.1秒、パヤリが37分23.8秒で、ソルベルグが約8.7秒リードしていた。SS17ではパヤリが4分57.5秒、ソルベルグが5分08.7秒で、その差は約11.2秒。公式の日曜成績はパヤリが42分21.3秒で首位、ソルベルグが42分23.8秒で2位となり、差は2.5秒だった。

ポイント資料はミスの実際の影響を示している。ソルベルグは日曜順位が首位から2位になり、この枠では首位より1ポイント少ない4ポイントを獲得。パワーステージ8位にはボーナスポイントがなかった。今回の29ポイントはラリー優勝の25ポイントと日曜2位の4ポイントから成る。1ステージのタイムロスが2種類のボーナスを同時に変えたが、ラリー優勝を失わせることはなかった。

エバンスはSS16でパンクしたタイヤを交換するため停止し、18分14.1秒とソルベルグより126.6秒遅れ、日曜のボーナスポイントを逃した。しかし、この損失はパワーステージ単独の順位には持ち越されない。SS17の3位でなお3ポイントを獲得し、ラリー5位の10ポイントと合わせて13ポイントとなった。2種類の採点方式により、パンク後もタイトル獲得の可能性を保った。

ドライバーの説明:区間タイムの速さと終盤の確信は同じではない

WRCの記録によれば、フィニッシュまで約1キロの時点で、ソルベルグの区間タイムはすでに走り終えたエバンスよりなお1.9秒速かった。ソルベルグはトヨタのレース後発表で、エバンスを上回るには攻める必要があると分かっていたが、速さが十分か確信できず、さらに攻めた結果、最後にミスをして路面から外れたと説明した。レース後のWRCインタビューでは、タイトルを逃したのはつらいが、最後まで全力を尽くしたことに後悔はないと語った。

エバンスも日曜を楽にリードを守った日とは表現していない。最初のステージでは後続のために浮いた砂利を掃く形になってタイムを失い、2つ目で取り返し、3つ目では石とパンクに見舞われた。自身のパワーステージもスムーズではなく、十分でなかったのではないかと心配したという。年間ランキングのリードがあっても、最終ステージで得点するプレッシャーからは逃れられなかった。

10月3日のサルディニアのステージを走るエバンス/マーティン組の33号車トヨタ。今大会の資料写真

パヤリは別の結果を示した。ラリー3位で15ポイント、日曜首位で5ポイント、パワーステージ2位で4ポイントを獲得し、計24ポイントを持ち帰った。ラリー総合順位が変わらなくても、最終日の速さが3人へのポイント配分を変え続けた。

FIAが0.1秒単位で公表した各ステージタイムを合計。合計値はINKA SPORTSによる計算で、単位は分:秒
ドライバー SS14 SS15 SS16 SS17 日曜4ステージ合計
オリバー・ソルベルグ 16:01.7 5:05.9 16:07.5 5:08.7 42:23.8
サミ・パヤリ 16:09.5 5:07.2 16:07.1 4:57.5 42:21.3
エルフィン・エバンス 16:15.7 5:03.9 18:14.1 4:59.8 44:33.5

INKA SPORTS 分析:区間でのリードが最終ステージの重圧を消さなかった理由

トヨタの発表によれば、パワーステージに入る前、エバンスの年間ランキング上の暫定リードはわずか1ポイントだった。最終ステージ後には差が5ポイントへ拡大した。ソルベルグが日曜首位から2位に落ちたことで差が1ポイント増し、エバンスのパワーステージ3位でさらに3ポイントが加わった一方、ソルベルグはこの枠で無得点だった。この変化が、ラリー首位を守っても年間争いで必要な追い上げを完了できなかった理由を説明する。

フィニッシュまで約1キロの計測地点でソルベルグはなおエバンスより1.9秒速かったが、最後の数コーナーでのミスにより、ステージを遅いタイムで終え、最終ステージのボーナスポイントを逃した。「それでも十分か確信がなかった」というレース後の説明と併せると、終盤の判断にかかる圧力はラリー総合タイムではなく、ステージ単独の相対的な速さから生じていた。エバンスのステージ全体のタイムを上回る必要があり、それまでの累積リードではこの課題を代わりに果たせなかった。

しかも、この課題には路面が変化する中で取り組まなければならなかった。トヨタによれば、Osilo–Terguには路面を掃く影響があり、Sassari–Argentieraの砂利の下り坂が続く終盤は、後から走るクルーほど難しかった。エバンスが石やパンクに遭遇したことも、2回目の走行だからといって条件が一定ではないことを示す。最終ステージが短く、途中でリードしていても、グリップとライン取りのリスクは残る。ソルベルグは最後に砂地へ飛び出し、フィニッシュ前に速さの優位性を失った。

まとめ

サルディニアの決戦の要点は、狙う目標に応じてドライバーが余裕を管理しなければならないことだ。累積リードはソルベルグにラリー優勝を守る余地を与えたが、年間争いは最後の1ステージでも速さを維持することを要求した。日曜のボーナスを逃したエバンスにとっても、パワーステージで順位を争い続けることには決定的な価値があった。年間のポイント差、2種類のボーナス、砂利の終盤区間が重なってこの重圧を生んだ。リードはフィニッシュまで守って初めて最終的な得点になる。全順位と年間ポイントは日曜のリザルト詳報。