ヒョンデのヘルメットを着用し、車内に座るアドリアン・フルモー

アドリアン・フルモーは2026年世界ラリー選手権(WRC)を年間5位、表彰台4回で終えた。WRC公式サイトが10月14日に掲載したインタビューで、彼は自身のシーズンを肯定的に評価した。コ・ドライバーのアレクサンドル・コリアと組み、13戦中12戦でトップ7、うち11戦でトップ5に入った。しかし、継続的な上位フィニッシュは、まだWRCでの初優勝につながっていない。

この成績の背後には、異なる2種類の経験がある。ターマックでは5位を獲得した後、トヨタに追い付くことが難しいと認めた。グラベルでは首位に立ち、SS最速を重ねる速さがあったが、タイヤのトラブルで優勝争いの位置を失った。

日本で5位:結果は守っても、速さの差は残る

5月の日本は、ターマックでの明確な事例だ。ヒョンデのレース後レポートによると、フルモーはSS2でスピンし、初日を7位で終えた。マシンを調整した後、土曜日には自信が増した。ヌービルの問題とソルベルグのリタイアも5位への浮上につながり、日曜日はリスクを抑えてその位置でフィニッシュした。

5位でもフルモーは満足しなかった。チームが発表したコメントで、トヨタと争いたかったが、雨でもドライでも十分に競争力のあるタイムを出せなかったと述べた。ターマックの問題が1度のスピンだけではないことを示す。週末後半にバランスを改善してトップ5を守っても、さらに上位を争う速さは足りなかった。

パラグアイで3位:追い上げる速さはあった

グラベル戦では別の側面が表れた。8月のパラグアイでフルモーは金曜日にパンクを喫し、一時7位まで落ちたが、最後は3位まで追い上げた。ヒョンデのレース後レポートでは、大会最多の9回のSS最速を記録した。土曜開始時には3位エバンスから55秒遅れていたが、その日の終わりには約3秒に縮め、日曜最初のSSで逆転した。

この表彰台は、単に位置を守った結果ではなく、一連のSSタイムで取り戻したものだった。「グラベルでは競争力がある」という評価の具体的な根拠にもなる。フルモーは前方との差を縮め続けられたが、序盤のタイムロスによって、レースの課題は首位を直接コントロールすることではなく、表彰台を追うことになっていた。

サルディニアで優勝争い:2度のタイヤトラブルで首位争いが途切れる

10月にシーズンを締めくくったサルディニアでは、フルモーはより直接的に優勝争いへ加わった。WRCの金曜レポートによると、SS3から首位に立った。ヌービルがその日の最終SSで逆転したが、フルモーは一晩を迎えた時点でチームメートからわずか0.4秒差で、接近した首位争いの中にいた。

土曜SS8の左フロントタイヤのパンクが状況を変えた。1分近くを失い、2位から5位へ後退。午後のSS12でもタイヤトラブルが起き、パヤリとエバンスの後ろに下がった。その後SS13で最速となって4位を取り戻し、最終的にも4位で大会を終えた。ヒョンデの総括では、このラリーで3回のSS最速を記録した一方、土曜日の2度のパンクが優勝の機会を損ねたと確認されている。

フルモーはチームのレース後コメントでもグラベルでの速さを評価した。それは首位に立ち、失った時間の後にもSS最速を記録した経過と一致する。一方、2度のタイヤトラブルは前方との差を実際に広げた。首位争いでのこれらの損失は、その後1つのSSで反撃しても、すべては埋められない。

INKA SPORTS 分析:トップ5の安定性でも隠せない2種類の差

日本、パラグアイ、サルディニアは、フルモーの未勝利を「少し運が足りない」だけで説明できないと示す。日本ではマシンを改善して完走しても、本人は雨天、ドライの双方で速さの差を報告した。この事例では、5位を守ることと首位集団に追い付くことの間に、競技ペースの隔たりがあった。

2つのグラベル戦の障害は異なる。パラグアイでの連続SS最速は序盤の損失を埋めるために使われ、サルディニアでは接近した優勝争いの最中に2度のタイヤトラブルを受けた。特定の条件で先頭を争う速さは示したが、その速さをラリーのフィニッシュまで完全にはつなげられなかった。安定してトップ5に入ることと1戦を勝ち切ることは、異なる到達度を表す。

まとめ

フルモーの2026年は、積み重ねと悔しさの両方を含む。トップ5を繰り返し記録し、グラベルでは自ら追い上げ、首位に立った証拠もある。一方、ターマックでの速さ不足と、グラベルでの争いにおける具体的なタイムロスが、さらに上の結果を阻んだ。10月14日のインタビュー時点で、フルモーは2027年にどのマシン、どのチーム、どの選手権で走るかをまだ確定していなかった。