2026年10月31日のメキシコGP予選でレーシングブルズの30号車を走らせるリアム・ローソン

メキシコGP予選後、技術違反の裁定によってリアム・ローソンの当初の8番手が無効となり、ランド・ノリスはマクラーレンがQ2首位からQ3の6番手に終わった背景を説明した。ローソンの新たな立場を定めるのはFIAの処分と別途の出走許可だ。一方、公式タイムとノリスの各コーナーに関する説明からは、マクラーレンの走りをより詳しく読み解ける。

ローソンは決勝出走を許可、暫定最後尾へ

スチュワードの文書57は、レーシングブルズの30号車がF1規則C5.12.6およびC5.12.7に違反したと判断した。関係するMGU-Kは、エネルギーを回収する発電機と、電気でマシンの駆動を助けるモーターの両方の役割を持つ装置だ。問題は、ローソンがQ2最速周の終わりにコントロールラインを通過した後、電力供給を減らす過程で起きた。

裁定はまず、ローソンがライン通過直後に出力を落とさず、規定の段階的な低下を達成できなかったと記している。技術代表の報告書53は、その後のドライバーの最大出力要求と、運動エネルギー回収システムERS-Kの実際の直流電力について、いずれも許容される速さを超えて低下したと認定した。確認するのは出力をいつ下げ始めるかと、どれほど速く下げるかであり、最終的な出力だけではない。

レーシングブルズは違反を自ら申告し、性能上の優位性は得られなかったと主張した。スチュワードは自主申告を考慮した一方、マシンはイベントの全期間を通じて技術規則に適合しなければならず、優位性がなくても不適合は免責されないと強調した。

ローソンは計時終了時点で8番手につけ、FP2の別件ですでに1グリッド降格を受けていた。しかし今回の処分は予選結果全体に及ぶ。最終予選結果の文書59では失格として別記され、8番手を維持したまま降格数を追加する扱いではない。

予選失格は、そのまま決勝出走禁止を意味しない。文書58で別途出走が認められ、暫定スターティンググリッドの文書60では22台中最後尾に置かれた。決勝前に追加の公式グリッド文書が出た場合は、その内容も確認が必要となる。

2026年10月31日のメキシコGP予選でマクラーレンの1号車を走らせるランド・ノリス

ノリスが語るQ2の特別な1周

一方、11月1日にFormula1.comが掲載したインタビューで、ノリスはQ3で確実な好機を逃したとは考えていないと説明した。Q2首位のラップは現状のマシンで極めて良い出来だったと受け止めており、6番手に全面的に失望しているわけではなかった。

彼の見方では、マクラーレンは依然として速さが足りず、理想的な1周を再現するのも難しい。条件がそろえば期待を抱かせるピークは出せても、それがQ3まで安定して続く状態にはなっていないという。

ノリスは12コーナーを例に挙げた。自身の説明では、Q2は向かい風によってグリップが得られ、約0.15秒の利点があった。しかし次の周に同程度の進入速度を試すとリヤのグリップを失い、約0.1秒を落としたという。

さらに1、2、3コーナーを弱点に挙げ、その区間で毎周およそ0.2秒を失っていると評価した。競争力を感じられたのは7コーナーだとも語った。Q2首位という見出しだけではなく、こうした説明から、彼がその1周を安定したポール争いの速さとは見ていない理由が分かる。

INKA SPORTS 分析:Q2首位だけではポール争いの速さを示せない理由

最終予選結果の文書59を見ると、落差の大きさが分かる。ノリスはQ2が1分16秒728、Q3が1分16秒824で、自身のタイムは0.096秒遅くなった。ハミルトンのQ3ポールタイムは1分16秒514で、ノリスのQ3より0.310秒速い。単純に数値を比べても、ノリスのQ2の1周はこのポールタイムより0.214秒遅い。Q2首位はそのセグメントでの相対的な順位であり、最終的にポール獲得に必要となった速さをそのまま示すものではない。

したがって、6番手の理由をノリスが好ラップを再現できなかったことだけに求めると、最終セグメントの基準も異なっていた点を見落とす。向かい風の変化や最初の三つのコーナーでの損失という本人の説明からは、理想の1周を繰り返す難しさと、全体的な速さの不足の両方を訴える理由が分かる。ただし、各セグメントの風、路面、タイヤの条件は同一ではない。この比較で仮定のグリッド順位を再現したり、0.310秒の全差を一つのコーナーや風の変化に帰したりすることはできない。

まとめ

メキシコでマクラーレンが取り組む課題は、時折見せる好ラップの再現性と、最終セグメントで必要な速さの両方にある。Q2首位だけでは、すでにポールを争える状態にあるとはいえない。現時点の資料が支えるのはこの予選に関する評価であり、決勝のロングランの速さまでは判断できない。一方、別件の技術裁定を受けたローソンについては、当初の8番手を基準にスタート位置を考えることはできなくなった。