MotoGPは、スプリントと日曜決勝で別々の予選を行う案を検討している。Motorsport.comが9月18日に報じたところによると、提案はチーム、メーカー、主催者による協議に入り、2027年からの導入を目指しているが、正式な手続きはまだ残されている。変更の対象は、二つのレースのスタート位置を決める方法だ。予選第3セッションを追加するかどうかは、同じ記事で紹介された別の提案である。
現行方式ではQ1敗退が両レースのスタート位置に影響
MotoGP公式による現行フォーマットの説明では、金曜午後のプラクティス上位10人が予選第2セッションのQ2に直接進出し、残るライダーは先にQ1を走って上位2人が通過する。Q2で上位12人の順位を決め、通過できなかったライダーはQ1の結果に従って13番手以降に並ぶ。これは一度の予選の中で出走者を絞る仕組みであり、Q1とQ2がそれぞれスプリントと決勝に対応するわけではない。
今週のオーストリアGPには具体例がある。9月19日に公表されたQ1公式結果では、ヨハン・ザルコとフランチェスコ・バニャイアがともに1分28秒753を記録し、上位2人となった。ラウル・フェルナンデスは1分28秒871で3番手となり、差はわずか0.118秒だったが、Q2に進めなかった。現行方式では予選順位は13番手以降となり、この境界が両レースのスタート順に影響する。
スプリントで順位を上げても、日曜のグリッドが組み直されることはない。公式説明では、両レースのスタート位置は予選の走りによって決まり、スプリントの結果は決勝のスタート順に影響しないと明記されている。予選後にはポイントを狙うレースが二つある一方、スプリントの順位で日曜の出発点を変える機会はない。なお、実際のグリッドには降格ペナルティーなどによる変更が加わる場合がある。
タイムテーブルとQ3案はそれぞれ未確定
Motorsport.comによると、両レースで個別に予選を行う方向に関係者は前向きだが、週末のタイムテーブルはまだ決まっていない。同誌は、MotoGPがスプリントを土曜午後の遅い時間帯に残すと見込んでいる。また、関係者の一者がQ1、Q2、Q3の3段階予選を推しているという。前者は報道上の日程予想、後者は一方の提案であり、いずれも承認済みの完全なフォーマットではない。

INKA SPORTS 分析:二つの予選はどのリスクを変えるのか
オーストリアのQ1を例にすると、現行方式では一度の敗退が二つのレースのスタート位置に及ぶ。スプリントと決勝に独立した予選があれば、ライダーはもう一方で前方の位置を取り直す機会を得られ、一度の失敗が自動的に他方へ持ち越されるとは限らなくなる。変わるのは失敗の影響範囲であり、ラウルや他のライダーが2回目に必ず速くなる保証ではない。
Q3の追加が扱うのは別の問題だ。一度の予選の中で、前方グリッドを争うライダーをさらにどう絞り込むかに関わる。3段階になっても、最後に同じ順位で両レースのスタート位置を決めるなら、一度の予選の影響は引き続き両方に及ぶ。改革を評価する際には、スタート順を何組作るのか、それぞれを何段階で決めるのかを分けて見る必要がある。セッションが一つ増えることと、独立した機会が一つ増えることは同じではない。
独立した機会を設けるには準備時間も必要になる。現行方式ではQ2直接進出者は15分間のQ1を走る必要がなく、それ以外は先に二つの通過枠を争う。新方式で参加資格、計時時間、タイヤをどう配分するかによって、ライダーに追加される限界走行の負担が決まる。変更で従来の練習時間が削られれば、チームの準備時間も変わる。こうした詳細が明らかになって初めて、機会の増加と作業負担の関係を評価できる。現段階で安全面や競技面の効果を直接数値化するのは適切ではない。
まとめ
二つの予選を設ける案の主な意味は、スプリントと決勝のスタート位置を別々に決め、一度の予選失敗が両レースに及ぶ状況を減らせる点にある。一方、Q3案は一度の予選内の選抜構造を変える。オーストリアQ1の通過ラインで生じた0.118秒差は現行方式の境界の重要性を示すが、2回目の予選がより良い結果を生む証拠ではない。9月19日時点では正式手続きと日程の確定が残る。次に見るべきは、独立した予選の参加方式、時間、準備資源の配分であり、その上で利点が実現するかを判断する必要がある。