2026年10月24日のオーストラリアGPスプリントでポジションを争うマルク・マルケスとホルヘ・マルティン

マルク・マルケスは10ポイントのリードを築いてオーストラリアを後にしたが、ドゥカティのチームマネジャー、ダビデ・タルドッツィはタイトル争いが安泰になったとは見ていない。MotoGP公式サイトに掲載されたインタビューでは、残るサーキット、ホルヘ・マルティンの負傷、そしてまだ追い上げの可能性を残すマルコ・ベッツェッキに目を向けた。ポイントでは先行したものの、残り4戦で優勝を争う速さを保てるかは、1戦ずつ確かめる必要がある。

オーストラリアで首位交代、日曜は差が広がらず

フィリップアイランド到着時、マルク・マルケスはマルティンに2ポイント差をつけられていた。土曜のスプリントでは両者が直接首位を争ったが、マルティンは8周目のターン8で転倒し、その後、転位のない橈骨遠位端骨折と診断された。マルク・マルケスはスプリントで優勝し、10ポイントのリードに逆転。次のマレーシアGPにマルティンが出場するかは、なお確認されていない。

日曜の決勝は、視界不良が医療ヘリコプターの飛行に影響したため中止となり、週末終了時の差は10ポイントのままとなった。タルドッツィはリードをさらに広げる機会を失ったとしつつも、ライダーの安全を優先すべきだと強調した。

転倒前の争いを、タルドッツィは勝利確実とは見ていなかった

土曜の直接対決について、タルドッツィはマルティンの高い競争力を認めた。転倒がなければマルク・マルケスが最後に勝てたかは分からず、争いは終盤まで続いた可能性があるという。この評価は、スプリントでの1勝がドゥカティのチームマネジャーにアプリリアを過小評価させなかった理由でもある。

残り日程に対するタルドッツィの見方も慎重だ。今後4戦のうち3戦はアプリリアにより適しており、もう1戦ではドゥカティが速い可能性があると見ている。これはレース前の彼の見立てだ。同時に、オーストラリアのスプリントでマルク・マルケスが見せたレース運びを評価し、状況を考えながらマネジメントしていたと語り、今後さらに素晴らしい走りを見せると信じている。

2026年10月24日のオーストラリアGPスプリント後、メダルを掲げるマルク・マルケス

ベッツェッキの可能性も排除していない。現在は首位から50ポイント差だが、残りのレースで勝つ力があるとタルドッツィは考えている。マルティンについては、セパンとカタールの走りを見て競争力を判断する必要があるとした。その後の走りを評価するには、まずマレーシアGPに出場できることが前提となる。

INKA SPORTS分析:順位を変えたポイントと、各戦で確かめる競争力

オーストラリアでのタイトル争いの変化は、二つの出来事から生まれた。マルティンがスプリントの争いから脱落し、マルク・マルケスが優勝したこと、そして日曜の中止によって両者が差を動かす機会を失ったことだ。10ポイント差は現時点の関係を正確に示すが、ドゥカティが速さでもアプリリアを上回ったことまでは意味しない。転倒前のマルティンに対するタルドッツィの評価は、まさにこの違いを意識させる。

ドゥカティにとって、マルティンの負傷で競争相手がすべて消えたわけでもない。ベッツェッキはアプリリアで上位を争える上、タルドッツィは残るサーキットの多くが相手に向くと見ている。マルク・マルケスが向き合うのは、直接のタイトル争いの相手の回復と出場状況だけでなく、もう1人のアプリリア勢の走りでもある。マルティンの出場可否だけを見ていては、そのプレッシャーを見落としてしまう。

まとめ

マルク・マルケスは追う側から首位に変わったが、ドゥカティはなお接戦を想定して残り4戦に臨む。セパンではまず、マルティンが出場できるか、出場すればどの水準で走れるかが焦点となる。その上で、サーキットとの相性に関するタルドッツィの予測を検証することになる。オーストラリアで得たリードは確かに存在するが、維持するにはアプリリアとの直接対決で引き続き結果を残す必要がある。