セバスチャン・オジエとヴァンサン・ランデが2026年のギリシャ・アクロポリス・ラリーを制した。正式な総合タイムは3時間36分40.7秒で、ヌービルに58.3秒差をつけた。勝田貴元は3分04.8秒差の3位を獲得した。オジエは土曜終了時点ではまだヌービルから4.1秒遅れていたが、日曜の最初のステージで最速タイムを記録して逆転。その後、最後から2番目のステージでライバルのタイヤ損傷を機に差を広げ、最後はパワーステージも制した。優勝争いの展開と競技後の順位に関する裁定は、分けて見る必要がある。4~7位は、フィニッシュ後にシートベルト違反によるタイムペナルティーで順位が入れ替わった。

オジエがギリシャで序盤から最後まで優位に立ち続けていたわけではない。木曜のアテネ市街地スーパーSSではトップタイムを記録したものの、金曜の長距離グラベルステージを終えるとヌービルから9.7秒遅れていた。土曜には、その差を4.1秒に縮めた。最終日は総合タイムでの遅れを取り戻すとともに、パワーステージとスーパーサンデーの追加ポイントも争うことになった。最初のステージで最速タイムを出して首位に立ち、次のステージでは2人が同タイムの最速を記録。勝負はなお決着していなかったが、最後から2番目のステージで起きたタイヤの問題が両者の差を大きく変えた。

ヌービルは金曜、土曜を通じて首位を守り、高温、グラベル、刻々と変化するステージに直面しながらも、競争力のあるペースを維持していた。日曜の最後から2番目のステージでは、タイヤの損傷によって差が一気に54.8秒へと広がった。その後、オジエは最終ステージでリードを58.3秒にした。ヒョンデにとって、このラウンドは序盤から後れを取っていたわけではない。ヌービルは優勝争いを最終日まで持ち込み、2位も重要な得点となった。優勝を逃した決定的な要因は日曜のタイヤの一件であり、その差がわずか1.1秒だった木曜の短いスーパーSSではなかった。

勝田は金曜の6位から徐々に順位を上げ、表彰台に到達した。今回のギリシャでは、自身の順位を左右するような大きなトラブルには見舞われなかった。母国日本での4位に続いて再び表彰台に立ち、年間ランキングでエバンスとの差を7ポイントに縮めた。エバンスは金曜に先頭走者として路面の掃除役を担い、土曜の最終ステージではパンク。日曜にもスローパンクチャーに見舞われ、最終的に5位で終えるにとどまった。パヤリは金曜のタイヤ交換によるタイムロスから挽回し、最終的に4位へ浮上した。トヨタは優勝を果たし、2人のドライバーがトップ3に入ったが、各クルーがたどった道筋は、このラリーでタイヤと出走順がもたらした不利が一様ではなかったことを示している。

競技終了直後の時点では、マクアーリーンが4位でフィニッシュし、フルモーは暫定6位だった。その後、主催者側は両クルーがステージ中にシートベルトを正しく着用していなかったと裁定し、それぞれに1分のタイムペナルティーを追加した。フルモーはSS12での違反により7位へ後退し、マクアーリーンはSS16での違反により4位から6位へ下がった。これにより、パヤリが正式に4位、エバンスが5位へ繰り上がった。この裁定はラリー全体の最終順位を構成するものであり、競技終了直後の暫定順位を最終結果として扱い続けることはできない。マクアーリーンは4位を失ったものの、有効な完走記録を残してRally1の上位に名を連ねた。

セスクスの正式タイムには、それ以前に科されていた3分10秒のペナルティーも含まれ、最終順位は8位となった。ソルベルグは金曜のリタイア後に再出走して完走し、総合16位、Rally1では9位となった。アームストロングは総合20位、Rally1では10位。セルデリディスは総合32位、Rally1では11位で完走した。ソルドは最終パワーステージの前にリタイアし、最終順位はつかなかったが、今大会の最上位クラスに参戦したクルーの動向として触れておく必要がある。完走者、再出走したドライバー、リタイアしたドライバーをすべて挙げてこそ、ギリシャに出場したRally1マシン12台の結末を全体として把握できる。

オジエは日曜の順位とパワーステージでも首位となり、今大会で計35ポイントを獲得した。WRC通算69勝目で、ギリシャでの優勝は2011年以来2度目となる。年間ドライバーズランキングはエバンスが158ポイントで首位を維持し、勝田が151ポイント、オジエが125ポイントで続く。次戦エストニアもグラベルラリーだが、路面はより高速で軟らかい。ギリシャから持ち帰るべき最大の教訓は、同じラリーでも出走順、タイヤ、競技後の裁定がいずれも成績に影響するため、フィニッシュ時点の順位が最終順位と同じとは限らないということだ。

ギリシャ戦Rally1最終結果

Rally1順位 車番 ドライバー/コ・ドライバー チーム 総合タイム タイム差 状況
1 1 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ トヨタ 3:36:40.7 — 完走
2 11 ティエリー・ヌービル/マーティン・ウィダグ ヒョンデ 3:37:39.0 +58.3秒 完走
3 18 勝田貴元/アーロン・ジョンストン トヨタ 3:39:45.5 +3分4.8秒 完走
4 5 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン トヨタ 3:41:42.9 +5分2.2秒 完走
5 33 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン トヨタ 3:42:35.6 +5分54.9秒 完走
6 55 ジョシュ・マクアーリーン/オーウェン・トレーシー M-Sportフォード 3:42:36.2 +5分55.5秒 完走。競技後に追加された1分のタイムペナルティーを含む
7 16 アドリアン・フルモー/アレクサンドル・コリア ヒョンデ 3:42:49.4 +6分8.7秒 完走。競技後に追加された1分のタイムペナルティーを含む
8 22 マルティンシュ・セスクス/レナース・フランシス M-Sportフォード 3:44:46.5 +8分5.8秒 完走。別途3分10秒のタイムペナルティーを含む
9 99 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン トヨタ 3:52:11.9 +15分31.2秒 土曜に再出走。完走
10 95 ジョン・アームストロング/シェーン・バーン M-Sportフォード 3:54:44.3 +18分3.6秒 完走
11 9 ジョルダン・セルデリディス/フレデリック・ミクロット M-Sportフォード 4:21:27.9 +44分47.2秒 完走。別途1分40秒のタイムペナルティーを含む
— 6 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ ヒョンデ — — 最終ステージ前にリタイア