ギリシャのアクロポリス・ラリーは金曜のグラベル6ステージを終え、ティエリー・ヌービル/マルティン・ヴィーデガ組が合計1時間26分48秒2で総合首位に立った。オジエに9.7秒差をつけ、フルモーが42.4秒差の3位につけている。木曜の市街地スーパースペシャルステージでついたわずかな差は、ギリシャ中部の山岳路129.22kmで一気に広がった。フォードを駆るマクアーリーが4位、セスクスが5位。トヨタがラリー・ジャパンで見せた上位4位独占はギリシャでは続かず、すでにヒョンデ勢とオジエによる接戦の様相を呈している。
アテネでのオープニングステージ終了後、金曜の山岳ステージに向け、マシンとクルーはまずコリントス湾をフェリーで渡ってイテアに到着した。この日は大会を通じてSS総距離が最も長く、昼にはリヴァディアでのリモートサービスしかない。グラベルの表層は浮き砂利が多く、岩も鋭いため、出走順が早いドライバーは後続のために路面を掃除する役割を担う。トヨタの5台は選手権順位によって出走順の最初の5枠を占め、先頭で走るエバンスは最も厳しい路面の掃除を強いられた。リモートサービス前にマシンやタイヤに問題が起きれば、そのまま走り続けるにせよ、停止してタイヤを交換するにせよ、その代償は大きくなる。
トヨタ勢で最も遅い出走順だったオジエは、比較的有利な5番手スタートを生かし、SS4でステージ優勝を挙げた。木曜の暫定首位から金曜は2位に後退したものの、ヌービルとの差は10秒以内に抑えている。2番手でコースに入った勝田貴元は6位で一日を終え、先頭走者として路面を掃除したエバンスは首位から2分08.4秒差の7位だった。両者に大きなドライビングミスはなかったが、早い出走順による路面掃除の不利を覆すのは難しかった。これが、ギリシャの路面と日本のターマックラリーとの最大の違いでもある。
ソルベルグは序盤にタイヤの空気圧低下に見舞われ、すでに1分以上を失っていた。金曜の最終ステージでは右コーナーで大きくアウト側にはらみ、マシンが路肩で動けなくなった。後退を試みた際にギヤボックスも損傷し、この日の競技を完走できなかった。チームは車体本体の損傷は軽いと判断しており、土曜は修復後に競技へ復帰する計画だ。リザルト表には再出走規定に基づく暫定タイムが記載されているが、この数字には未完走ステージに対する規定の加算タイムが含まれており、金曜の6ステージを走り切った実際の合計タイムではない。最近のターマック戦での不振をギリシャのグラベルで覆したいと考えていたソルベルグにとって、このリタイアによって大会全体の目標も変わってしまった。
パヤリは午前中に一時4位まで浮上したが、SS4で技術的な問題により短時間停止し、SS5ではタイヤとホイールを交換。合計約2分を失い、最終的に総合10位へ後退した。フルモーはヌービルから42.4秒離されているものの、ヒョンデにとって2台目の表彰台圏内を維持している。8位のソルドもタイヤと路面への対応に苦しんだ。フォード勢ではマクアーリーとセスクスがトヨタの2人を抑えて4位、5位につけており、この日のグラベルステージを単一のメーカーが支配したわけではないことを示している。アームストロングは大きくタイムを失ったが、引き続き順位認定の対象に入っている。
土曜はルートラキの西に位置するペロポネソス半島へ舞台を移し、合計108.69kmの6ステージが行われる。午前の4ステージのうち2つは新設で、残る2つは2013年以降WRCでは使われていない。午後には、そのうち2ステージを再走する。ヌービルのオジエに対するリードはわずか9.7秒で、岩の多い路面でタイヤを傷めれば、1ステージでその差が消える可能性がある。オジエもタイムを取り戻そうとするあまり、路肩の鋭い岩に接触しないようにしなければならない。勝田とエバンスは、出走順の変更によって変わる路面状況を生かし、少しずつ表彰台圏内へ順位を上げていく必要がある。
WRC2クラスのミケルセン、カチョン、山本雄紀も同じラリーを戦っているが、彼らのRally2マシンはRally1の順位には含まれない。複数クラスを合わせた総合順位では、最上位クラスの一部クルーがトップ10から押し出されるため、それを理由にソルベルグ、アームストロング、セルデリディスを記載から漏らしてはならない。金曜の戦況で最も明確な対比は、ヌービルがヒョンデを先頭に立たせ、オジエが優勝を狙える差を保った一方、トヨタの残る4台がそれぞれ路面掃除、タイヤ、アクシデントによって遅れたことだ。
金曜ステージ終了時点のRally1累計順位
| Rally1順位 | カーナンバー | ドライバー/コ・ドライバー | チーム | 合計タイム | 差 | ステータス |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 11 | ティエリー・ヌービル/マルティン・ヴィーデガ | ヒョンデ | 1:26:48.2 | — | 暫定 |
| 2 | 1 | セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ | トヨタ | 1:26:57.9 | +9.7秒 | 暫定 |
| 3 | 16 | アドリアン・フルモー/アレクサンドル・コリア | ヒョンデ | 1:27:30.6 | +42.4秒 | 暫定 |
| 4 | 55 | ジョシュ・マクアーリー/オーウェン・トレーシー | Mスポーツ・フォード | 1:27:58.3 | +1分10.1秒 | 暫定 |
| 5 | 22 | マルティンシュ・セスクス/レナルス・フランシス | Mスポーツ・フォード | 1:28:05.1 | +1分16.9秒 | 暫定 |
| 6 | 18 | 勝田貴元/アーロン・ジョンストン | トヨタ | 1:28:21.4 | +1分33.2秒 | 暫定 |
| 7 | 33 | エルフィン・エバンス/スコット・マーティン | トヨタ | 1:28:56.6 | +2分8.4秒 | 暫定 |
| 8 | 6 | ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ | ヒョンデ | 1:29:37.7 | +2分49.5秒 | 暫定 |
| 9 | 5 | サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン | トヨタ | 1:30:01.3 | +3分13.1秒 | 暫定 |
| 10 | 99 | オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン | トヨタ | 1:39:24.8 | +12分36.6秒 | SS7で当日の競技をリタイア;再出走規定に基づく暫定順位 |
| 11 | 95 | ジョン・アームストロング/シェーン・バーン | Mスポーツ・フォード | 1:41:02.8 | +14分14.6秒 | 暫定 |
| 12 | 9 | ヨルダン・セルデリディス/フレデリック・ミクロット | Mスポーツ・フォード | 1:52:54.1 | +26分5.9秒 | 暫定 |