ヒュルケンベルグは10月11日のシンガポールGPでラッセルを抑え、8位を守った。F1公式が12日に掲載したレース後記事で、防御の鍵を説明した。良いリズムを見つけて前方のローソンへ近づくと、前車のスリップストリームも助けとなった。前車を追走すると空気抵抗を減らし、直線速度を上げられる。
1周目の順位獲得が終盤の防御の起点に
ヒュルケンベルグは予選11位だったが、ラッセルのパワーユニット関連の処分で10番手へ繰り上がった。1周目にガスリーとリンドブラッドを抜き、ローソンの後ろへ入った。アウディは序盤から入賞圏に入り、速度の近い中団で追い越し機会を長く待つ必要がなくなった。
本人は、1周目の感触とライン判断が良く、ターン2の内側と出口で順位を上げたと振り返った。アウディ、前方のレッドブルの姉妹チーム、後方のアルピーヌのレースペースは近く、序盤に得た位置が特に有用だったと考えている。
前車を追うことが、後車の攻撃機会を減らす
19番手スタートのラッセルが迫ったとき、ヒュルケンベルグは守れるか確信がなかった。その後良いリズムを見つけ、ローソンとの差を縮め、間接的にスリップストリームの助けを得たという。本人の説明では、これでアウディの直線速度が増し、防御が単なる後車への受け身の対応ではなくなった。

アウディのレーシングディレクター、アラン・マクニッシュは特に最後の約10周を評価した。ラッセルは明らかに速かったが、ヒュルケンベルグは重要な場所で速さを保ち、必要な防御をしながら過剰にはせず、後にはメルセデスを少し離してローソンへ再接近したという。バクーとセパンではともに最終周に1ポイントを失っており、今回は位置を守れたことがガレージのチームに特に重要だった。
INKA SPORTS 分析:8位を守るには、レース全体のリズム維持が必要
ヒュルケンベルグの説明は、前後の争いのつながりを示す。後方のラッセルに対し、ラインを変えてふさぐことだけに集中すれば、ローソンを追う機会をさらに失い得る。前車へ近づいたことで、本人が明言する直線の助けを得た。マクニッシュの「過度に守らない」という評価は、位置を守りつつ前進のリズムも維持する処理と重なる。
1周目に得た位置も終盤の防御に役立った。中団の速さが近いとき、先にローソンの後ろにいたからこそ、終盤にその相対位置を使って速いメルセデスに対応できた。これは今回の交通状況での判断と実行を示すもので、アウディがメルセデスより速い車を持つ証明ではない。効果は前車との距離、直線区間、自身のリズムにも依存する。
まとめ
ヒュルケンベルグは序盤の順位獲得と終盤の前車追走を、有効なレース管理へつなげた。まず入賞圏に入り、防御中もできる限り前車を追う速さを残した。シンガポールの8位は、相手のレースペースが速くても、防御の度合いを抑えて結果を守れる可能性を示す。次戦で繰り返せるかは、近いコース上の位置と前車の条件を再び得られるかにもかかる。
