アンドレッティのチームウェア姿のカラム・ボワザン。公式発表の肖像写真

フォーミュラE公式サイトが10月29日に伝えた2件の人事は、2026/27年シーズンに向けたシミュレーターと開発業務に焦点を当てている。カラム・ボワザンがアンドレッティの公式開発ドライバーに加わり、サム・バードとアビー・プリングは日産でそれぞれの支援業務を継続する。今回の役割はレースシートとは区別され、両チームの主力ラインアップ変更ではない。

ルーキーテストから継続的な開発へ

ボワザンは2025年ベルリンのルーキーテストにCUPRA KIROから参加し、2026年3月にはマドリードのハラマでアンドレッティのルーキーテストを担当した。新たな役割ではシミュレーターとレース準備に携わり、デニス、ドルゴヴィッチ、エンジニアリングチームのGEN4への対応を支える。以前のテスト経験が協力関係の土台になったが、レギュラーシートの獲得とは異なる。

英国とスイスにルーツを持つ20歳は、2026年のポルシェ・カレラカップGBで2レースを残して王座を確定し、年間9勝を挙げた。2023年のGB3王者でもあり、2024年スパのF3フィーチャーレースでも優勝している。アンドレッティの新代表キャンベル・ホブソンは異なるマシンへの適応力を評価し、シミュレーター業務が新技術への理解を築く助けになると説明した。

日産の公式発表に使われたサム・バードとアビー・プリングの合成写真。元の2人の構図を保持

日産は相互に補完する2つの役割を維持

日産ではバードがリザーブ兼開発ドライバーを継続する。フォーミュラEで12勝を挙げた経験を持ち、シミュレーター、テスト、エンジニアリングや戦略部門の支援を担う。新マシンの導入に伴いシミュレーター調整に多くの時間を費やし、ローランドとマローニに新機能のより正確なフィードバックを届けたいと語った。その準備は実走による検証も必要となる。

プリングはルーキー兼シミュレータードライバーを継続する。これまで日産の女性ドライバーテスト、マイアミのフリー走行、マドリードのルーキーテストを経験した。まずシミュレーターでGEN4を探り、サーキットでの機会につなげたいとしている。日産が発表済みのレギュラーはローランドとマローニであり、2人の支援ドライバーの継続でその体制が変わるわけではない。

INKA SPORTS分析:新マシンを理解するための体制

両発表に共通するのは、既存の協力関係を新技術の時代に向けた継続的な準備へ結びつける点だ。アンドレッティはボワザンでシミュレーターと開発業務を補強し、日産はバードのレース経験とプリングが積み上げたテスト経験を維持する。シミュレーターは設定比較や機能の習熟を助けるが、モデルと実走の一致はテストで確かめなければならない。人員配置だけで性能の優劣は判断できない。

まとめ:次はテストで準備を確かめる段階

日産の発表によれば、プレシーズンテストは11月16日から20日までスペインのハラマで予定されている。それまでの各役割の価値は、マシン、シミュレーター、レース準備をつないでいくことにある。レースドライバーを支えるこれらの役割は、新マシンのフィードバックと日々の準備を担う。シミュレーターでの準備が実走にどうつながるか、プレシーズンテストが次の確認の場となる。