ローラは10月16日、ジェリー・ヒューズ(Gerry Hughes)をFEチームの副チーム代表に任命し、日常運営と競技業務を任せると発表した。併せて、2026—27シーズンは「Lola Formula E Team」の名称で参戦し、ヤマハは引き続き技術パートナーを務め、GEN4パワートレインの開発を主導すると確認した。
副チーム代表が日常運営を担当、プレストンは引き続きチームを率いる
ヒューズは英国シルバーストンのチーム本部を拠点に業務に当たる。マーク・プレストンはチーム代表を続ける。
ヒューズの経歴はツーリングカー、F1、FEにまたがる。NIOのFEチーム代表を務め、2009年にはローラのF1エンジニアリング責任者(Head of F1 Engineering)を担当した。また、クランフィールド大学で自動車工学を学んでいた際には、ローラとサスペンション設計に関する修士研究にも取り組んでいる。今回の復帰では、同社での経験に加えてフォーミュラEチームの管理経験も持ち込む。
プレストンによれば、2人はスーパーアグリで同僚として働き、FE初期にはライバルとして対峙した。プレストンはヒューズの加入を社内で運営するチームづくりと結び付け、さまざまな競技分野での経験と能力を重視した。ヒューズは、プレストンおよびピーター・マックールと働くのは今回が3度目で、既知の仕事上の関係が早期の業務適応に役立つと述べた。
チーム名はローラに、ヤマハはパワートレイン開発を継続
ローラは、新しい参戦名が、チーム運営を社内へ移したことによる位置付けの変化を反映すると説明した。Lola Carsの最高経営責任者ミシェン・チェティは、過去数シーズンにわたってヤマハをチーム名やブランド表示に含めたのは両社の関係を表すものだったと述べた。GEN4に向けてローラは運営を集約し、活動を簡素化し、将来のレースプロジェクトに向けた社内能力をさらに蓄積したい考えだ。
ヤマハの技術的な役割は維持される。ヤマハは同じ発表の中で、過去2シーズンのGEN3 Evoパワートレイン事業で得た経験を基に、引き続きローラの技術パートナーとしてGEN4の動力開発を主導すると確認した。チーム名の短縮と技術協力の継続は同時に起きており、参戦名だけで協力関係を判断することはできない。
INKA SPORTS 分析:社内運営と技術協力は異なる取り決め
今回の変更の要点は、「誰がレースチームを運営するか」と「誰がパワートレインを開発するか」を分けたことにある。ヒューズが日常運営と競技面の実務を担うのは、社内運営に切り替えたチームで業務を統括する人が必要になるという組織上の課題への対応だ。一方、ヤマハが動力開発を主導し続けるのは、技術プロジェクト上の分担である。前者はローラによるチームの直接管理を強め、後者は両社が築いてきた技術基盤を引き継ぐ。両方を並行して進めることができる。
まとめ
ローラは社内で運営するチームに副チーム代表という実務上の役割を加え、同時にヤマハとのパワートレイン開発協力も維持した。変わるのは組織とブランドの取り決めであり、技術パートナー関係は続く。次の具体的な開幕前の節目は、11月16日から20日までマドリードのハラマで行われる公式プレシーズンテストで、チームの準備状況を公に確認できる新たな機会となる。