2026年シンガポールGP決勝後、表彰台で手を振るフェルスタッペン。

フェルスタッペンは7.335秒差でシンガポールGPを制し、ルクレール2位、ハミルトン6位となった。フェラーリは2、3番手から異なるコンパウンドで出て、別々にピットへ入り、2通りの戦略で追う条件が整っていた。しかし継続的な2台での挟み撃ちにはならなかった。理由はスタート、最初のタイヤ交換、2度目のVSCの3段階から分かる。全順位は今回の決勝レポート。

フェラーリ2台は同時に首位へ迫れず

ルクレールのスタートは良かったが、フェルスタッペンはターン1で首位を守った。2人はソフト、ハミルトンはミディアムだった。17周目終了時、ルクレールは3.829秒差、ハミルトンは10.269秒差。2台は首位からの差が異なる位置にあり、ハミルトンは首位を脅かすまでに、さらに時間を取り戻す必要があった。

ハミルトンは18周目にソフトへ換え、ローソンの後ろへ戻ってから抜いた。アントネッリは23周目、ルクレールは24周目にミディアムへ交換。フェルスタッペンは32周目まで延ばし、ミディアムへ換えても首位を保った。35周目終了時、ルクレールは5.051秒差、ハミルトンは7.151秒差で、上位2人の順は変わらなかった。

VSCが追撃機会と順位交換を生む

ストロールのリタイアによるVSC中、ルクレールとアントネッリは39周目に再交換し、ハミルトンは残った。ピットの有無でハミルトンが一時2位へ上がったが、ルクレールが新しいタイヤで抜き返した。アントネッリも一度ノリスに先行を許した後、ノリスとハミルトンの争いを利用し、続けて両者を抜いて表彰台に立った。

F1公式掲載のレース後現地インタビューで、ルクレールは序盤のマシンは良かったが、その後パフォーマンスが落ちたと述べた。フェルスタッペンと異なる戦略を選び、できる限りを尽くしたという。フェルスタッペンはソフトでもミディアムでも必要な速さがあり、スタートも位置を守るのに十分だったと述べた。両者の反応は最初のタイヤ交換後の差の変化と符合する。

2026年シンガポールGP決勝、フィニッシュ直線を通るフェルスタッペンと、フェンス脇で喜ぶレッドブルのスタッフ。

重要段階の比較

時点 ルクレールのフェルスタッペンとの差(秒) ハミルトンのフェルスタッペンとの差(秒)
17周目終了 3.829 10.269
35周目終了 5.051 7.151
フィニッシュ 7.335 53.188

INKA SPORTS 分析:2つの戦略が二重の圧力にならなかった理由

2台が異なる戦略で首位に早い対応を迫るには、まず新しいタイヤや第1スティント延長で首位を争える距離まで近づく必要がある。ハミルトンは最初のタイヤ交換前にすでに離れ、交換後もローソンを抜く必要があった。ルクレールも常にレッドブルの後ろだった。そのためレッドブルには最初の区間を延ばす時間があり、交換後も首位を続けた。フェラーリの2通りの戦略は、同じ時間帯に首位を変えるだけの圧力を生まなかった。

17周目と35周目の終了時を比べると、ルクレールは3.829秒差から5.051秒差へ1.222秒広がり、ハミルトンは10.269秒差から7.151秒差へ3.118秒取り戻した。変化は反対方向で、ハミルトンは実際に近づいたが、首位を変えるには足りなかった。2度目のVSCの時点で、フェルスタッペンは最初のピットを終え、リードを保っていた。

ハミルトンの結果は、1回少ないピットで得た位置を、その後のタイヤで守る必要を示す。一時2位へ上がったが、古いソフトは終盤の連続防御を支えられず6位へ下がった。ルクレールとアントネッリは新タイヤのため一度後退し、追い越しで取り戻した。18周目のハミルトンのソフトは長い後半を担い、フェルスタッペンは32周目にミディアムへ換えた。同じ1ストップでも、終盤のコンパウンド、使用周回数、追撃の圧力は異なった。

まとめ

勝利の基盤は2度目のVSC前にできていた。フェルスタッペンはスタートを守り、第1スティントを延ばしても首位を保ち、後半のタイヤ性能も残した。フェラーリが2台の戦略を分けたことで追撃の選択肢は生まれ、ルクレールも2位を守ったが、首位へ近づくための速さと位置の条件に代わるものではなかった。