2026年WRCラリー・イタリア・サルディニアは10月1日から4日まで開催される。WRCが9月30日に公表した大会前のリリースによると、第13戦であると同時にシーズン最終戦でもあり、全17スペシャルステージ、競技区間307.02キロで争われる。スペシャルステージは閉鎖道路でタイムを競う区間で、この307.02キロは計時区間の合計距離だ。エルフィン・エバンス、サミ・パヤリ、オリバー・ソルベルグが、それぞれ初のWRCドライバーズ世界タイトルを争う。
4日間のルート:内陸のグラベルと日曜の北西部ステージ
大会は現地時間木曜夕方、イッティリ・アリーナのショーステージで始まる。トヨタが9月25日に公開した公式プレビューによると、金曜日はアルゲーロ北東部の3ステージを各2回走り、昼にサービスパークへ戻る。土曜日も同様の日程構成で、各ループの最後に新しいSolorcheステージを走る。
日曜日はアルゲーロ北西部へ移り、2ステージを各2回、合計4ステージ走る。最後のサッサリ―アルジェンティエラはパワーステージも兼ね、WRCのリリースによる距離は7.10キロ。トヨタのルート説明は、最終ステージの前にタイヤ交換ゾーンを設けることも確認している。
路面と出走順:路面掃除の影響は天候次第
サルディニアの道は狭く、岩の路盤はタイヤを強く摩耗させる。トヨタによると、マシンが通ると表面の浮いた砂や小石が取り除かれ、路盤が次第に現れる。「路面掃除」とは、早く出走するマシンがこうした浮き砂利を取り除き、後続車が通るときには路面条件が変わっていることを指す。例年の初夏から10月へ移った今回は、低い気温や変わりやすい天候に遭遇する可能性があるが、狭い道幅と岩がタイヤを試す点は変わらない。
エバンスはパヤリに17ポイント、ソルベルグに21ポイントの差をつける一方、金曜日は先頭で出走する。この季節は雨の可能性が高く、降雨が路面掃除の影響を軽くするかもしれないが、難しいラリーを想定して準備していると語った。トヨタのチームメイト、勝田貴元は、雨が降らなければ金曜の6番目という出走順が良い条件をもたらす可能性に触れた。したがって、エバンスのポイントリードは金曜の路面条件の優位を意味せず、降雨で前後の出走順の利点と不利が変わり得る。
配点の基準:大会全体、日曜、パワーステージを別々に順位づけ
FIAの2026年WRC競技規則第3.3条では、大会の総合上位10人に通常のポイントを与え、上位3人は順に25、17、15ポイントを得る。土曜終了時の総合順位はまだ途中経過で、最終順位には日曜日の走行も加わる。

スーパーサンデーのポイントは日曜だけの合計タイムで順位を決め、その部分のタイムペナルティーも加算する。上位5人は順に5、4、3、2、1ポイントを得る。パワーステージは最終ステージのタイムと同区間のタイムペナルティーで別に順位を決め、上位5人に同じ配点を適用する。日曜4ステージの合計と、最終1ステージの成績は、異なる比較範囲なのだ。
FIA規則第50.4条は、パワーステージのポイントを得るには大会全体の最終結果に分類されることも求めている。WRCの大会前リリースによると、今大会の最大獲得点は35で、エバンスは19ポイントを取ればタイトルを確定できる。オジエは自身6度目のサルディニア優勝を目指し、ヒョンデとMスポーツ・フォードの各クルーも各種の順位に影響を及ぼし得る。
INKA SPORTS分析:ルートと路面は最終戦の得点にどう影響するか
同じ雨が、先行車と後続車に意味するもの
エバンスは先頭での路面掃除によるタイムロスを懸念し、勝田貴元はドライでの6番目の出走に優位を期待する。2人が見ているのは同じ路面変化だ。前車が浮き砂利を取り除けば、後車は掃かれたラインを使いやすくなる。雨で路面掃除の影響が薄れれば、エバンスの損失が減る一方、勝田が期待する後方の出走順の利点も小さくなり得る。そのため降雨は、金曜の出走順による条件差を変え、タイトル候補が総合順位を争う出発点に影響する可能性がある。
同じルートの2回目は、グリップと摩耗を改めて判断
同じステージを2度目に走るとき、ドライバーには1回目の経験があるが、路面も先に走ったマシンによって変わっている。浮き砂利が減れば掃かれたラインを使いやすくなる一方、摩耗の大きい岩の路盤が現れるとタイヤへの負担が増す。両者が同時に存在するため、2回目は実際の路面に応じてブレーキング、加速、タイヤの使い方を見直す必要がある。金曜昼にサービスへ戻ることは、最初のループのフィードバックに基づいてマシンを調整する機会を与える。土曜の新しいSolorcheステージでは、過去のラリー経験をそのまま使えない課題も増える。
最後のタイヤ交換は最終区間を助けるが、前の3区間の時間も残る
最終ステージ前のタイヤ交換ゾーンでは、前の3ステージのタイヤの状態を踏まえ、パワーステージに備えられる。最終区間を速く走れば、そのステージの追加点を狙うと同時に、日曜の合計と大会全体の総合タイムも改善できる。ただし、最初の3ステージですでに使った時間は日曜の順位に算入されるため、最終区間だけで力を出しても、日曜合計で高得点を得られるとは限らない。規則はパワーステージの得点を最終結果への分類と結びつけており、最後に攻めながらもマシンをフィニッシュへ運ぶ必要がある。
19ポイントの確定ラインで、日曜の得点が具体的な争いの材料に
WRCが示した19ポイントのタイトル確定ラインは、エバンスが総合成績と2種類の追加点の組み合わせで目標に届くことを意味する。例えば総合3位の15ポイントに、日曜合計とパワーステージで合わせて4ポイントを加えれば19となる。パヤリが満点の35ポイントを得ても、今大会でエバンスより多く取れるのは16ポイントで、大会前の17ポイント差に届かない。したがってエバンスは、今大会で優勝しなくても年間タイトルを確定できる。総合順位のポイントが19に足りなければ、日曜の2種類のボーナスポイントが不足分を補える可能性があり、4ステージを通じた走りと最終区間のアタックにそれぞれ重みが生まれる。
まとめ
サルディニア最終戦は、金曜からタイトル争いに影響する。天候が路面掃除による損失を左右し、繰り返し走るステージではルートへの慣れとタイヤ摩耗が同時に試される。日曜には最後のタイヤ交換ゾーンがパワーステージの準備を助けるが、4ステージの合計タイムも計算される。エバンスの19ポイントという目標にはさまざまな組み合わせで届き、追う2人は総合成績と追加点で差を取り戻す必要がある。最終的なタイトルの行方は、4日間の総合成績と日曜の2種類の追加点を合わせた精算で決まる。