9月13日、2026年WRC第12戦ラリー・チリが終了した。WRC公式のレース後レポートとFIAの分類資料によると、オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組が2時間57分08秒2で優勝し、オジエが16秒6差の2位、フルモーが33秒3差の3位となった。トヨタは1、2位を独占し、マニュファクチャラーズタイトルを早期に確定。一方、ドライバーズタイトル争いは、エバンスが最後から2本目のステージでタイヤ交換のため停止したことで、さらに接近した。
土曜のリードから日曜のタイヤトラブルへ
ソルベルグのリードは、それまでの2日間の安定した走りによって築かれた。金曜は濡れて滑りやすい林道で優位に立ち、土曜は全長28.31キロのMaría las Crucesで2度とも最速を記録。その日のスタート時点で10秒1だったリードを19秒1に広げた。オジエは土曜の6ステージ中4本で最速を出したものの、エバンスに1秒3及ばず、トヨタの3台はソルベルグ、エバンス、オジエの順で最終日を迎えた。
日曜は4ステージで争われた。まずエバンスがCarampangueの1回目を制し、ソルベルグとの差を13秒2に縮めた。続くBioBíoの1回目ではソルベルグが右リアタイヤに損傷を負いながらもステージ最速を記録し、リードを再び14秒5へ広げた。両者ともタイムを稼ぎ続けており、土曜に築かれた差によって優勝争いが決着していたわけではなかった。
表彰台の顔触れを変える出来事は、最後から2本目のステージで起きた。エバンスはタイヤの問題で停止してホイールを交換し、2分以上を失って2位から5位へ後退。オジエ、フルモー、パヤリがそれぞれ2、3、4位に上がった。ソルベルグはオジエに13秒3のリードを持って最終ステージへ入り、追加ポイントの懸かるPower Stage(パワーステージ)でも最速を記録し、最終的な差を16秒6とした。このステージではエバンスが2位だった。
マニュファクチャラーズタイトル、記録、完走したクルー
トヨタはこれで6年連続、通算10回目のWRCマニュファクチャラーズタイトルを獲得し、ランチアの1987年から1992年までの連覇記録と通算10度のタイトル獲得記録にそれぞれ並んだ。ソルベルグにとってはモンテカルロに続く今季2勝目で、今季はトヨタの5組すべてが複数回のラリー優勝を果たしている。
日曜4ステージの合計タイムで争うSuper Sundayでは、オジエがソルベルグを3秒8上回り、この追加ポイント部門の首位となった。今回がWRC通算213回目の出場で、ラトバラの記録に並び、最終結果の2位はローブと並ぶ通算120回目の表彰台となった。ラリー全体の合計タイムではソルベルグに及ばなかった一方、日曜の4本を合計するとオジエの方が速く、二つの順位表で異なる結果を得た。

後方のクルーも順調な完走ばかりではなかった。Mスポーツのレース後発表によると、マクアリーンは日曜に道路脇の土手に接触してフロントバンパーを損傷したが、最終的に7位を守った。総合タイムには土曜の遅着による10秒のペナルティーが含まれる。アームストロングは土曜のSS8で横転し、冷却系の損傷でその日の走行を終えた。修復後は日曜に再出走し、全クラス混合の総合順位では33位となった。下表はRally1クラスの順で並べ、これらの再出走組と最終分類に載らなかったヌービルも記載している。
ラリー・チリ Rally1最終結果
| Rally1順位 | 車番 | ドライバー/コ・ドライバー | チーム | 総合タイム | 差 | 状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 99 | オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン | トヨタ | 2:57:08.2 | — | 完走 |
| 2 | 1 | セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ | トヨタ | 2:57:24.8 | +16.6秒 | 完走 |
| 3 | 16 | アドリアン・フルモー/アレクサンドル・コリア | ヒョンデ | 2:57:41.5 | +33.3秒 | 完走 |
| 4 | 5 | サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン | トヨタ | 2:58:42.1 | +1分33.9秒 | 完走 |
| 5 | 33 | エルフィン・エバンス/スコット・マーティン | トヨタ | 2:59:30.5 | +2分22.3秒 | 完走 |
| 6 | 4 | エサペッカ・ラッピ/エンニ・マルコネン | ヒョンデ | 3:02:15.2 | +5分7.0秒 | 完走 |
| 7 | 55 | ジョシュ・マクアリーン/オーエン・トレーシー | Mスポーツ・フォード | 3:04:39.7 | +7分31.5秒 | 完走、10.0秒のペナルティーを含む |
| 8 | 95 | ジョン・アームストロング/シェーン・バーン | Mスポーツ・フォード | 3:48:16.4 | +51分8.2秒 | 土曜にリタイア、日曜に再出走して完走 |
| 9 | 18 | 勝田貴元/ジェームス・フルトン | トヨタ | 3:59:26.4 | +62分18.2秒 | 土曜に再出走し、完走 |
| リタイア | 11 | ティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ | ヒョンデ | — | — | 土曜のPelúnで横転してリタイア、分類対象外 |
INKA SPORTS 分析:一度の停止が順位とタイトル争いの両方を変えた理由
ソルベルグは土曜の長いステージを2度制して日曜の追撃に対する余裕を作り、最終日にもステージを制したことで、エバンスが停止する前まで首位を維持した。右リアタイヤの損傷後もBioBíoで最速を記録した事実は、その損傷が優位を消すほどではなかったことを示す。接戦の順位を大きく変えたのは、次のステージでエバンスがタイヤ交換のため停止したことだった。2人のタイヤの問題は計時上、異なる結果をもたらしており、フィニッシュ時の差だけではラリー全体の速さを比較できない。
エバンスの損失は、ラリー総合順位とSuper Sundayの両方に及んだ。その停止時間が、いずれの合計タイムにも算入されるためだ。一方、パワーステージで比較するのは最後の1本だけであり、修復後に2番手のタイムを出して追加点を得ることはできた。最終ステージの速さには得点を補う実際の意味があったが、それ以前に失った2分による総合順位の後退は取り戻せなかった。5位という結果を日曜の速さの不足だけで説明すれば、最初のステージでの勝利と最終ステージの2位も見落とすことになる。
この転機は、トヨタ内のタイトル争いにおける重圧のかかり方も変えた。大会終了時点でエバンスが230点、パヤリが213点、ソルベルグが209点となり、後の2人はそれぞれ17点、21点差につけた。パヤリは4位で完走し、引き続きランキング上で最も近い追走者となり、ソルベルグは優勝によって再び差を縮めた。マニュファクチャラーズタイトルの早期決定で3人の競争が消えたわけではなく、エバンスには既にあるステージでの速さを、ラリー全体の得点へつなげることが求められる。
まとめ
チリで最も際立った違いは、タイヤのトラブルを経てもリードをどれだけ残せたかだった。ソルベルグは長いステージで余裕を築き、最終ステージでも最速を記録して勝利を守った。エバンスにも優勝を争う速さがあったが、長い停止でより大きな代償を払った。トヨタはマニュファクチャラーズタイトルという目標を達成したが、大会終了時点のカレンダーではなお2戦が残る。ドライバーズタイトルは引き続き、ラリー総合成績と日曜の追加点を併せてどれだけ得られるかに左右される。