眼鏡とInvictaのチームウェアを着用したラファエル・カマラのパドックでの肖像。F1公式のデビュー記事掲載写真

ラファエル・カマラが11月6~8日のサンパウロGPでF1グランプリデビューを果たす。ハースVF-26を駆り、オリバー・ベアマンと組むブラジル人新人は、当初2027年開幕時に予定されていたF1参戦を、母国で前倒しして始めることになる。

F1公式サイトが11月3日に掲載した記事は、ハースの小松礼雄代表の声明を紹介。エステバン・オコンには、今季中にハースのレースシートへ戻ることはないと伝えたという。小松代表はチームの将来にとって最善の判断だと説明し、オコンとの内部協議は非公開を維持するとした。

オコンは今季復帰せず、平川には別の参戦予定

オコンに代わってメキシコGPに出場したのは、リザーブドライバーの平川亮だった。オコンはすでにシーズン終了後のハース離脱を表明していたが、今回の発表は今季残りの出場予定をさらに変更する。サンパウロGPで発表された組み合わせは、カマラとベアマンだ。

平川には以前から世界耐久選手権の参戦予定があり、ブラジルでは起用できない。メキシコでの代役体制をそのまま次戦へ持ち越せないため、ハースは将来のレギュラードライバーを早期にグランプリへ送り出すことを選んだ。

ハースが2026年10月15日に公開したカマラの2027年契約発表画像。実際の人物写真と元の2027表記を含む

2027年の契約と旧型車でのテスト経験

ハースは10月15日、21歳のカマラと複数年契約を締結し、2027年から正式に組むと発表していた。カマラはフォーミュラ・リージョナル欧州選手権と2025年FIA F3選手権を制し、現在はF2ランキング首位に立つ。今回の早期デビューは、すでに確定している将来の体制を背景にしたものだ。

カマラは8月、ポルトガルのポルティマオでハースの旧型車テストに参加し、2025年型VF-25を運転した。当時の契約発表で小松代表は、速さに加えて、短い習熟時間でチームと効果的な仕事の環境を作った点を評価。今回はその能力への信頼を改めて示し、VF-26での初出場を支える意向を述べている。

INKA SPORTS 分析とまとめ:目前の空席と将来の体制をつなぐ起用

今回の人選には二つの時間軸がある。平川の既定スケジュールがブラジルでの空席を生む一方、カマラの複数年契約は、その解決策を将来の体制へ結びつける。全く面識のないドライバーを起用する場合に比べ、旧型車テストでの共同作業が意思疎通と準備の出発点になる。

一方、旧型車テストからグランプリの全日程へ進むと、求められる仕事も変わる。カマラはエンジニアと練習、予選、決勝の準備を進め、正式な参戦ドライバーとしてVF-26の実戦での要求に向き合う必要がある。ブラジルは、目前のシート問題を解決すると同時に、来季の正ドライバーとの実戦経験を積み始める場となる。