43号車のプラマック・ヤマハでコーナーを走るジャック・ミラー

ジャック・ミラーはMotoGPオーストリアGPを21位で終え、最終周のタイムは1分40秒225まで落ち込んだ。公式結果によると、優勝したペドロ・アコスタから67.530秒、チームメートのトプラク・ラズガットリオグルから20.806秒遅れた。ミラーはレース後、Motorsport.comに対し、リアタイヤ中央部がベースゴムまで摩耗し、ストレートでもフルスロットルで加速できなかったと説明した。

パワーモードの切り替えから、リアタイヤ中央部の摩耗へ

ミラーによると、3周目にはすでに2番目のパワー制御モードへ切り替えていた。13〜14周目ごろには、ストレートを3速、4速で走っている際に明らかなスリップを感じ、予備の3番目のモードへ変更した。残り約7周まではチームメートの後ろについていられたが、その後はリアタイヤ中央部の摩耗が進み、コーナー進入でもさらに慎重になる必要があった。

報道によると、ミシュランは今回、剛性の高い特殊構造のリアタイヤカーカスを採用した。ミラーは、今年のタイGPで同種のカーカスを使った際にも、リアタイヤ中央部に似た摩耗があったと述べた。タイヤを管理するため、より早くマシンを起こそうとしたが、接地面がトレッド中央に移ると、かえってスリップが顕著になったという。

ミラーは苦戦をマシンの電子制御や荷重移動とも結び付けた。パワーの伝わり方が十分に滑らかではなく、急な操作がタイヤの挙動を乱しやすいと考えている。ひとたびスリップが続くと、ラップタイムは徐々に落ちていった。そのため、彼のライディング感覚では、単純にパワーを増やすことより、パワーをどう滑らかに使うかが、この週末のより直接的な課題だった。

プラマック・ヤマハのピットでレースの準備をするジャック・ミラー

タイム比較:チームメートとの差は主に最後の5周で拡大

公式の周回別データは、終盤の変化をより明確に示している。21周目はミラーが1分32秒676、チームメートが1分32秒664だった。ミラーは24周目に1分34秒521、26周目に1分36秒987へと落ち、最終周は1分40秒225となった。一方、チームメートは最後の5周を1分33秒台に保った。24〜28周目の合計でミラーはチームメートより19.025秒多くかかり、23周目終了時にはわずか1.781秒だった両者の差が、最終的に20.806秒へ広がった。

ペースは大幅に落ちたが、ミラーは自らガレージへ戻ってリタイアすることは考えなかったという。レースはまだ終わっておらず、赤旗などで状況が変わる可能性もあるため、途中でやめるより走り続ける方が自分のやり方に合っていると説明した。最終的に28周を走り切り、マシンをフィニッシュラインまで運んだ。

INKA SPORTS分析:終盤の差の拡大が示した、駆動力を維持する難しさ

チームメートの同じ周回の記録からは、両者の差が主に最後の5周で急速に広がり、それまではミラーも近いペースを維持できていたことが分かる。ストレートでのスリップ、モード切り替え、中央部の摩耗に関する本人の説明と合わせると、このレースの鍵は後半も継続してパワーを使えるかどうかにあった。公式記録では2台とも前後ミディアムコンパウンドのタイヤを使用していたが、セッティングや摩耗状態まで同じだったことを意味しない。タイムは速度を失った局面を特定し、ライダーのフィードバックはパワー伝達とタイヤの連携を検証する方向を示す。

まとめ

21位という結果の背後で、最も大きな変化は終盤に起きた。予備のパワーモードでもミラーのペース低下は止められなかったが、全距離を走り切って厳しい週末を終えた。周回別の記録は速度損失が終盤に集中したことを示している。今後の評価では、どのような条件によってこの局面でリアタイヤ管理とパワー伝達が機能しなくなったのかが焦点となる。