63号車のドゥカティでコーナーを走るフランチェスコ・バニャイア

フランチェスコ・バニャイアはMotoGPオーストリアGPで状態をいくらか取り戻し、その改善を、周回を重ねてマシンへの理解を深めるよう勧めたダニ・ペドロサの助言のおかげだと語った。金曜日にはQ2への直接進出を逃したが、土曜日にQ1を通過して予選7位となり、その後スプリント6位、決勝7位を獲得した。再びポイントを得た週末だった一方、日曜日のグリップとブレーキングの問題は、土曜日の進歩が十分には続かなかったことも示している。

Motorsport.comによると、バニャイアは土曜日のレース後、ペドロサが以前DAZNの番組で語った助言を実践したと述べた。より多くの周回をこなし、マシンを深く理解することで、自分の手でレース結果を左右できるようにするというものだ。MotoGPで優勝経験を持ち、現在はKTMのテストライダーを務めるペドロサの助言が役立ったとバニャイアは考えており、スプリントを日曜日に備える機会として捉えた。

ミディアムタイヤでスプリントを決勝への準備に

そのためバニャイアは、ソフトタイヤによる短距離の速さだけを追うのではなく、スプリントでミディアムタイヤを選んだ。ドゥカティの土曜日のレース後レポートでは、決勝に備え、タイヤの摩耗管理を理解するための選択だったと説明し、序盤は難しかったものの、その後のペースは悪くなかったと述べている。また取材では、土曜朝に試したセッティングによって、よりしっかり減速し、リアを使って向きを変えられるようになったと語った。路面に濡れた部分が残っていても、グリップ感は改善していたという。変更については、従来の手法を異なる形で試したと説明するにとどめ、具体的な技術内容は明かしていない。

公式計時では、Q1を1分28秒753の2位で終え、3位ラウル・フェルナンデスに0.118秒差をつけた。進出したQ2では1分28秒527で7位となり、ポールポジションから0.610秒遅れた。14周のスプリントは優勝者から5.142秒差で終え、4点を獲得した。それまで複数の週末でQ2への直接進出を逃していたというのは、金曜プラクティスからの直接進出を果たせなかったことを指す。オーストリアではQ1を通過してQ2へ進んだことが、今回の予選における重要な一歩だった。

2026年MotoGPオーストリアGPのライダーによるレース後インタビューの公式映像

日曜日の問題は序盤から発生

28周の決勝では、優勝者から9.686秒差の7位で9点を獲得した。ドゥカティのレース後レポートには、より具体的な問題が記録されている。バニャイアは土曜日と条件が異なり、トラクション不足とグリップ低下を感じたため、5周を終えた後、より良い形で走り切るために自らペースを約0.5秒落としたという。6周目ごろには軽いブレーキングの問題も始まった。ペースを管理したことで、終盤にはフェルミン・アルデゲルとブラッド・ビンダーとの差を再び縮め、調子を上げてフィニッシュできたと述べた。これらはライダー本人の感触であり、機械的な不具合の原因がすでに特定されたことを意味しない。

INKA SPORTS分析:周回を重ねて得られたものと、残る課題

今回の取り組みの具体的な価値は、バニャイアが14周のスプリントで決勝を見据えたタイヤ選択を自ら試し、予選の1周だけでは得られない継続走行の経験を積んだことにある。Q1通過、Q2での7位、スプリントでの得点は、土曜日の進歩を示している。ただし、スプリントの距離は決勝の半分にすぎず、日曜日のグリップの問題と6周目ごろに生じたブレーキングの問題は、スプリントの終了周回に達する前から起きていた。したがって、決勝の苦戦を単純に長距離走行の不足で説明することも、これをもってペドロサの助言が機能しなかったと判断することもできない。土曜日にマシンをより把握できたことと、異なる条件の日曜日に問題が残ったことは両立する。

まとめ

オーストリアGPでバニャイアは再びポイントを獲得し、改善点と課題も明確になった。土曜日にはブレーキングと旋回の感触が良くなった一方、日曜日は意図的なペース管理と、早い段階から生じたブレーキングの問題への対処が必要だった。周回を重ねることは判断材料を蓄える助けになる。そのうえで、土曜日の自信を決勝の条件下でも維持できるかどうかが、今回の取り組み方の変更を継続的な回復につなげる鍵となる。