2026年アゼルバイジャンGPでのウイリアムズのアレクサンダー・アルボンとカルロス・サインツ

ウイリアムズは9月24日から26日に行われた2026年F1アゼルバイジャンGPでアップグレードを投入し、今季初めて予選最終セッションのQ3へ進出、1ポイントを持ち帰った。カルロス・サインツは予選9位だったが、黄旗区間で必要な減速をしなかったため5グリッド降格となり、14番手からスタートして決勝を10位で終えた。

予選と決勝結果:Q3進出が示す実際の前進

バクーのQ2タイムからは、競争の中での位置がより具体的に見える。サインツは1分44秒629を記録し、Q3進出者の中で最も遅かったフランコ・コラピントの1分44秒683を0.054秒上回った。アルボンは1分45秒001で、同じ進出ラインから0.318秒遅かった。ウイリアムズは2台ともQ1を通過したが、Q3に進んだのはサインツだけだった。予選9位と、処分後の14番グリッドは、それぞれ1周のパフォーマンスと決勝のスタート条件を表している。

それ以前の参考となるのがモンツァのQ2だ。サインツは1分23秒453で、進出者の中で最も遅い1分22秒516から0.937秒遅れていたが、バクーでは進出ラインを上回った。下表はそれぞれのQ2最後の進出者を基準に、サインツが各レースのトップ10進出ラインからどれほど離れていたかを示す。2つのレースではサーキット、条件、ライバルのパフォーマンスが異なる。

黄旗による降格:連続する区間でも、それぞれで減速が必要

F1公式サイトが引用したスチュワードの裁定は処分の理由を説明している。ターン2の後とターン3の前の連続する区間で黄旗が提示され、サインツはチームから通知を受けたものの、後の黄旗区間でしか明確に減速しなかった。本人は2つの区間をまとめて扱えると考えていたが、スチュワードは各黄旗区間でそれぞれ明確な減速が必要で、後の区間での減速では前の区間の要求を満たせないとし、5グリッド降格を科した。

ドライバーの評価と、アップグレードでも残る課題

サインツはF1公式のレース後インタビューで、新パッケージにより中団争いに戻る希望が見えたと評価し、最後の10〜15周のレースマネジメントでポイント争いに戻れたとも語った。公式記事は同時に、前方のドライバーのリタイアが14番手から10位への浮上を助けたと指摘している。サインツは、継続的にポイントを争うにはさらに改善が必要だと考えている。

新フロアとリアの変更に対するアルボンの第一印象も好意的だった。バクーはこのマシンに合っており、レースペースは良かったとしたが、ターン1と最終コーナーではまだ遅く、さらなる空力性能が必要だと語った。

2026年アゼルバイジャンGPのプラクティスでバクーのコースを走るウイリアムズFW48の資料写真

9月26日の決勝で、アルボンはタイヤをロックさせてウォールに衝突し、リタイアした。公式結果では29周を走行し、全距離は完走していないと記録されている。本人は事故の責任を認めたが、原因はまだ完全には理解しておらず、前の周より遅いブレーキングや追い風の影響などを可能性として挙げた。

9月24日公開のF1の記事で、チーム代表のジェームズ・ボウルズは、今回のアップグレードには再設計した軽量シャシーと新しい空力パッケージが含まれ、翌年以降の長期的な開発も視野に入れたものだとすでに説明していた。新パッケージの初走行では、エンジニアが車高(シャシーと路面の距離)とマシンバランスを細かく調整する必要があり、一度で最適な設定にはたどり着けないと強調。このアップグレードだけではポイント獲得を保証するには不十分だとした。

同じセッションでの進出ラインとの差:+は基準より遅く、−は基準より速い
タイムの出典:F1モンツァ予選、F1バクー予選。
グランプリ セッション ドライバー タイム 進出者の最遅タイム 差(秒)
モンツァ Q2 サインツ 1:23.453 1:22.516 +0.937
バクー Q2 サインツ 1:44.629 1:44.683 −0.054
バクー Q2 アルボン 1:45.001 1:44.683 +0.318

INKA SPORTS 分析:今季初Q3が1ポイントにとどまった理由

1周の速さは進出ラインを超えたが、降格でスタート位置の利点を失った

サインツは0.054秒の余裕でQ3へ進み、アルボンは進出ラインから0.318秒外側にいた。ウイリアムズの2台はトップ10の境目を挟んだ位置にあった。サインツは予選9位を得たが、黄旗による降格で14番手に戻され、決勝は後方からポイントを追うレースとなった。最終的な1ポイントには終盤10〜15周のマネジメントが生きた一方、前方のリタイアも助けになった。アップグレードで1周の速さを生かす機会は増えたが、実行面のミスによって、その一部をスタート位置に反映できなかった。

軽量化とコーナリング速度の改善は、異なる問題への対応

軽量シャシーは、これまでチームを悩ませていた車重の負担に対応するものだ。一方、アルボンが指摘したターン1と最終コーナーでの遅さは、彼がなお求める空力性能の向上に関わる。同時にボウルズは、新部品をマシン全体に合わせるため、エンジニアが新パッケージの車高とバランスを調整する必要があると述べた。必要な作業は2つある。まず現在のパッケージを適切に調整し、その上でドライバーが指摘したコーナーでの弱点に取り組むことだ。両ドライバーがアップグレードを前向きに評価したことと、さらなる改善を求めていることは矛盾しない。

まとめ

バクーでの具体的な前進は、サインツがQ3に進出し、再びポイントを獲得したことだ。ただし、今回の得点には終盤のマネジメントと前方のリタイアで生まれた機会も必要だった。次の具体的な課題は、予選で得たスタート位置を守り、新パッケージの車高とバランスを細かく調整し、アルボンが指摘したコーナーでの空力性能を補うことだ。今季初Q3によってトップ10に近づいた一方、降格処分と依然として遅いコーナーは、この前進がどこで制約を受けているかを示している。