マクラーレンは2026年アゼルバイジャンGPで2台とも得点できず、中国、カナダに続いて今季3度目のグランプリ無得点となった。ノリスはアルピーヌ2台の接触に巻き込まれてリタイア。ピアストリは一時表彰台を争ったが、ターン1でのロックアップによって入賞圏外へ後退した。チーム代表アンドレア・ステラはF1公式インタビューで、直線速度の不足によって両ドライバーが長い間守りに回ることになったと指摘した。
2台がポイントを失った経緯:接触によるリタイアとロックアップによる後退
マクラーレンの公式レースレポートによると、ノリスはミディアムタイヤでスタートし、発進後に4番手へ浮上したが、その後ハジャー、フェルスタッペン、ハミルトンに抜かれた。チームは、序盤のミディアムの性能がソフトに劣っていたことに加え、直線速度の不利もあり、位置を維持するのが難しかったと見ている。
第1スティントの終わりにノリスはターン1でロックアップし、タイヤにフラットスポットを作った。30周目にピットインしてソフトに交換し、9番手で復帰した。最初のセーフティカー後のリスタートではアウト側から順位を取り戻そうとしたが、内側のコラピントとガスリーの接触に巻き込まれ、ウォールに衝突してレースを終えた。より性能の良いソフトに替えたことでポイントを追う機会は残されていたが、接触によって反撃は続けられなかった。
ピアストリは序盤、より高い競争力を見せた。ソフトでスタートして2番手へ浮上し、キャッスルセクションで差を築くことで、長いストレートでレッドブルに迫られる圧力を相殺した。チームはセーフティカー中にタイヤ交換を済ませ、上位の位置を維持した。
しかしミディアムに交換した後、ピアストリはリスタートでタイヤの温まりに苦しみ、フェルスタッペンに抜かれた。2度目のセーフティカー後にはハジャーを抑えようとしてターン1でロックアップし、ランオフエリアへ直進。間隔が縮まっていた集団の後方へ落ちた。フラットスポットによる振動に加え、ブレーキの管理も必要で、その後の追い上げが制限された。F1公式結果での順位は13位だった。

直線の弱点:空気抵抗、ギア比、決勝でのパワーの使い方
ステラは確認すべき方向として、マシンの空気抵抗、このような高速サーキットにギア比が適しているか、そしてパワーユニットの使い方の3つを挙げた。メルセデスとのデータ比較から、マクラーレンは決勝でのパワーの使い方をまだ最適化できていないと説明した。予選でパワーユニットの性能を十分に引き出せていても、決勝で継続して同じようにできるとは限らないという。
ノリスには追加の問題もあった。予選で発生した燃料噴射の問題が決勝でも断続的に再発し、ピアストリのマシンでも時折同種の問題が起きていた。ステラはこれを優先して対処すべき事項に挙げた。また、ノリスのパワーユニットのエネルギー放出の難しさとドライビングのミスにも触れ、それによって後続車が攻撃できる距離へ入ると、直線での弱さが防御をさらに難しくするとした。
低速コーナーのアップグレードは好感触、開発の重点はすでに2027年へ
バクーのアップグレードは低速コーナーの性能を狙ったものだった。ステラによると、データには新部品の問題は表れていない。一部の部品は事故で失われた可能性があるが、さらに新しい部品も届くという。同時に、開発の力はすでに2027年のマシンへ集中していると認めた。今後MCL40に届く部品は数週間前に承認された作業によるもので、現行マシンにも以前の開発の成果は引き続き投入される。
INKA SPORTS 分析:コーナーで築いた差が防御を支え切れなかった理由
ピアストリの序盤の走りが、具体的な答えを示している。直線が弱い中、長いストレートで後続に迫られる分を相殺するには、先にキャッスルセクションで差を作る必要があった。セーフティカーが集団をまとめると、リスタート時にはそれまでの距離の利点が消えていた。さらにミディアムへの交換後は温まりの難しさも加わり、守るための条件が変わった。2度目のセーフティカーでは後方の集団も密集し、ランオフエリアへ直進する1度のミスで複数の順位を連続して失った。
これは、低速コーナーのアップグレードに好感触があっても、チームが明確な弱点を露呈した理由でもある。アップグレードが改善したのはコーナーで差を作る力であり、ステラが調査を求めた空気抵抗、ギア比、決勝でのパワーの使い方は、その差をストレートでどれだけ保てるかに関わる。ノリスはそれ以前のミスで後続を近づけ、燃料噴射の問題も断続的に発生した。守りに回る場面の繰り返しを減らすには、チームは直線性能を高めるとともに、ドライバーがより安定してマシンを使えるようにする必要がある。
まとめ
マクラーレンはバクーで上位を争える競争力を見せ、ソフトに替えた後にポイントを追う機会もあった。しかし最後は、それぞれロックアップのミスと多重接触によって終わった。振り返りの重点は、コーナーで得た利点をタイヤ交換、リスタート、長いストレートでの攻防を通して生かすことだ。低速コーナーのアップグレードとパワーの使い方の問題は、それぞれ対応する部分で解決する必要がある。