キャデラックF1は9月24日、3つの技術職の任命を発表した。クレイグ・スキナーがチーフ・デベロップメント・エンジニア、エリック・ブランディンが空力部門責任者、ティム・リーンが空力モデリングおよびシミュレーションのチーフエンジニアに就く。3人は今後数か月のうちに順次加入する。2026年に初参戦したチームにとって、今回の任命はマシン開発の工程、空力部門、モデリングとシミュレーションにまたがり、それぞれに重点がある。
3つの職務は何を担うか
スキナーは以前レッドブルで約20年働き、チーフデザイナーを務め、2021年から2024年の連続タイトル獲得期にも貢献した。キャデラックではマシンのコンセプト、設計、解析、実際の製品としての完成までの連携を強め、開発案が各段階を経て具体的な成果になる過程に取り組む。
ブランディンはメルセデスとアストンマーティンで合わせて11年以上働き、それぞれチーフエアロダイナミシスト、副テクニカルディレクターを務めた。空力は、マシンの周囲を流れる気流が生み出す作用を研究する分野であり、キャデラックではその部門を率いる。
リーンが担うのは空力のモデリングとシミュレーションだ。マクラーレンとレッドブルでの勤務経験があり、フェラーリでも約5年にわたり空力に携わった。空力部門全体を率いるブランディンとは異なり、新しい職務はモデリングとシミュレーションという専門領域に焦点を当て、設計案の研究と評価を支える。
急速な人員拡大から連携の改善へ
今回の任命に先立ち、チームの経営体制は変わっており、マルチン・ブドコウスキーがグレアム・ロードンに代わってチーム代表に就いている。キャデラックの技術組織は急速に拡大してきた。ゼネラルモーターズの1月19日のファクトリー紹介記事は、最高技術責任者ニック・チェスターの言葉として、約3年前に加入した時は空力部門が6人だったが、記事公開時には100人を超えるエンジニアに増えたと伝えている。

F1公式サイトが9月17日に公開したインタビューで、ブドコウスキーは短期間でチームを立ち上げたことには多くの良い点がある一方、簡略化した部分も避けられず、短期的には信頼性と運用効率を強める必要があると述べた。今回の任命については、開発、空力、モデリングの経験を結び付け、より緊密に連携する技術組織を作り、コース上の性能を改善するためだと説明した。チームの声明も技術の厚み、協力、明確な責任を強調している。
INKA SPORTS 分析:専門組織を開発工程へつなぐ
3つの任命のつながりは、専門業務と業務間の連携を同時に担う点にある。ブランディンが空力部門を率い、リーンがその分野のモデリングとシミュレーションに集中し、スキナーがコンセプト、設計、解析、完成を結ぶ。公表された職務に沿って見ると、強化は経験豊富な人材を数人増やすだけでなく、専門研究をマシン開発全体の過程へ組み込むことも目指す。これはブドコウスキーが語る技術組織の統合にも対応する。
組織規模の拡大と仕事の成熟度は別のものだ。1月時点ですでに100人を超えた空力部門は、キャデラックが初参戦前に相当な規模の人員体制を作ったことを示す。一方、ブドコウスキーが9月にも急速な立ち上げ時の簡略化や運用上の不足に言及したことは、人員がそろった後にも連携と実行の作業が残ることを示している。今回の任命はその長期的な組織づくりを狙うものだ。3人はこれから順次加入するため、効果は今後の開発成果の投入とコース上の運用で見る必要がある。
まとめ
キャデラックの今回の強化は、マシン開発、空力部門の管理、モデリングとシミュレーションを明確な役職に分け、連携を共通の目標としている。3人の新メンバーは今後数か月で加入する。続いて注目すべきは各自の着任時期と、開発業務が代表の求める信頼性や運用の改善とどう組み合わさるかだ。専門的な経験を有効な協力へ変えられるかが、今回の任命に今後求められる答えとなる。