ウイリアムズF1は9月24日、チームアンバサダー兼F1アカデミー・アドバイザーのジェイミー・チャドウィックが、9月21日にポルトガルのアルガルベ国際サーキットで自身初のF1マシンテストを完了したと発表した。チームの旧型車テスト計画に参加し、2025年型ウイリアムズFW47で32周を走った。テスト日と発表日は3日離れている。
グローブでの準備からポルティマンでの実車走行へ
テスト前、チャドウィックはウイリアムズのグローブ本拠地で体力トレーニング、シミュレーター走行、F1マシンのシート合わせを行った。それでも、実際にF1マシンを速く走らせてポルティマンを駆ける感覚は、想像を大きく超えていたと話した。チームによると、32周の走行で技術的なフィードバックを提供し、ドライビングも好印象を残したという。
FW47はウイリアムズの2025年シーズンのマシンだ。チームの説明では、前シーズンに3度の表彰台を獲得し、2017年以来最高のコンストラクターズ順位に貢献した。今回のテストでチャドウィックは、シミュレーター以外でこのマシンを実際に運転する経験を得た。発表にはラップタイムや比較テストの結果は掲載されていない。
長年の協力と若手ドライバーへの指導
ウイリアムズとチャドウィックの関係は2019年から続く。Wシリーズで3度の年間王座を獲得し、インディNXTでは表彰台と優勝を経験した。チームによると、現在はIDECスポーツからヨーロピアン・ル・マン・シリーズのLMP2に出場し、ジェネシス・マグマ・レーシングの世界耐久選手権プログラムでリザーブドライバーも務めている。ウイリアムズではアンバサダーに加え、F1アカデミー・アドバイザーとして若手を指導する。

今回の走行でチャドウィックは、2015年のスージー・ウォルフに続き、ウイリアムズのF1マシンを走らせた2人目の女性となった。ウイリアムズは、現代のF1マシンを走らせた英国人女性としても2023年以来初だとしている。チャドウィックは、幼い頃にウォルフがウイリアムズを運転する姿を見て自らのレース人生を励まされたと語り、今度は自身の経験で次世代を勇気づけ、今回の実車経験を若手に伝えたいとした。
INKA SPORTS 分析:32周の価値は経験とフィードバック
複数のカテゴリーで競い、指導も担うドライバーにとって、今回新たに得たのはF1マシンを自分で運転したという比較の基準だ。それまでの体力づくり、シミュレーター、シートの準備が実走と結び付いた。実際の感覚が予想を超えたという本人の説明も、準備と乗車体験にはなお違いがあることを示す。これによって若手へF1の運転に必要なものを語る際、他カテゴリーの経験を当てはめるだけでなく、自身の体験が加わる。
この32周にはチーム側の用途もある。F1はポルトガルが2027年にカレンダーへ戻ると発表しており、チーム代表ジェームズ・ボウルズは、チャドウィックが集めた重要なデータが来年のポルティマンへの準備に役立つと述べた。ただし使用したのは2025年型FW47であり、32周は走行量を示す。これだけでドライバーの速さを順位づけたり、2027年のマシンの性能を予測したりはできない。今ある材料が支えるのは、チームがコースの情報と技術的な評価を得て、チャドウィックが具体的な実車学習を終えたという結論だ。
まとめ
チャドウィックの初F1テストは、長年の協力、トレーニング、若手指導を32周の実車走行へつなげた。本人とボウルズによるフィードバックと走りへの肯定的な評価は、個人の学びとチームの準備の両方に価値があったことを示す。今後その体験を自身のレースと若手指導にどう使うかは、実際の活用を見る必要がある。ウイリアムズとSky F1はアゼルバイジャンGPの週末に、今回のテストの舞台裏を公開する予定だ。