ラリー・モンテカルロで競技距離が最も長い金曜日を終え、オリバー・ソルベルグは総合首位を維持した。トヨタが夜に発表した暫定結果では、コ・ドライバーのエリオット・エドモンドソンとの累積タイムは2時間11分13.1秒で、エルフィン・エバンスに1分08.4秒差をつけた。セバスチャン・オジエはソルベルグから1分14.9秒遅れの3位だったが、2位のエバンスとはわずか6.5秒差。トヨタが上位3台を占めるという見た目の裏で、異なる2つの争いが同時に進んでいた。

ソルベルグは木曜日から44.2秒のリードを持ち越したが、金曜午前も守りに徹したわけではなかった。最初のステージではほかの全員を少なくとも19.1秒上回った一方、次の区間ではタイヤの空気圧が低下して27.2秒を失った。それでも3本目で再び最速を記録し、リードを1分以上に広げ直した。3ステージの間に起きた変化は、ひとつのミスや機材の問題で差が一気に変わることを示す。同時に、先頭のクルーが次のステージですぐに対応できれば、リスクを許容範囲に収める余地もある。

午後の2回目の走行では、路面は午前の単純な繰り返しにはならなかった。雪と氷が減る一方で、インカットする場所には泥が増え、車輪がかき出した泥水が道路の一部を覆ったため、コーナー進入時のグリップが読みづらくなった。ソルベルグは午後最初のステージでも勝利。暗くなってからはリスクを抑え、それでも1分08.4秒のリードを維持した。土曜日には雪の山道と市街地のスーパーSSが待つため、クルーはステージの速さとマシンを守ることの間で判断を迫られた。

エバンスは金曜日の2本目で最速タイムを記録し、概ね総合2位を守ったが、オジエが追い続けた。オジエはこの日最後の2ステージを連続で制し、両者の差を6.5秒まで縮めた。エバンスは、午後の泥の多いインカットで思い切りを欠いたと考えていた。一方オジエは、午前はシャーベット状の雪で大きくタイムを失い、午後に路面が変わってから徐々にリズムを取り戻したと述べた。これがチームメイト同士の順位争いの直接の背景であり、2人ともソルベルグの後ろにいるというだけでは全体像は捉えられない。

勝田貴元にとって金曜日はさらに厳しかった。午前の2ステージでタイヤを損傷し、午後最初の区間では衝撃を受けてパワーステアリングに不具合が生じた。それでも1日を走り切ったが、総合順位は12位まで下がった。モンテカルロは連続するヘアピンや低速での旋回が多く、アシストを失うとマシンを操る負担が増す。その状態でサービスまで戻ったことにより、少なくとも残る2日間を走る機会は残した。パヤリは木曜日の接触でその日の走行を終えた後、規則に従って再出走し、異なるタイヤの組み合わせや路面で経験を積み続けた。

ヒョンデのアドリアン・フルモーとティエリー・ヌービルは暫定4位、5位だったが、首位からはそれぞれ5分05.2秒、6分05.3秒遅れていた。したがって先頭付近の主要なタイム争いはトヨタ陣営内で起きている。ただし、通常のドライラリーのような一定のリズムを前提に、モンテカルロの先行きを判断することはできない。土曜日の最長ステージLa Bréole–Bellaffaireは29.93キロ。山道の一部を繰り返し走った後、モナコの港周辺へ向かう。夜の路面が滑りやすくなれば、短いステージでもミスの代償は大きくなる。

金曜日20時時点の分類は、その日の終了までの累積成績にすぎない。ソルベルグは小さなミスなら吸収できるリードを持って土曜日に進むが、エバンスとオジエの差はひとつのブレーキング区間に費やす時間ほどしかない。さらにタイヤ損傷や雪解け路面の変化が起きれば、どちらの争いも順位が入れ替わり得る。土曜日と日曜日の競技はまだ行われておらず、路面とタイヤ選択によって順位は変わる可能性がある。

金曜日のステージ終了後の全Rally1クルーの成績

Rally1順位 カーナンバー Rally1クルー チーム 累積タイム クラス首位との差 状況
1 99 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン トヨタ 02:11:13.1 — 暫定
2 33 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン トヨタ 02:12:21.5 +1分08.4秒 暫定
3 1 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ トヨタ 02:12:28.0 +1分14.9秒 暫定
4 16 アドリアン・フルモー/アレクサンドル・コリア ヒョンデ 02:16:18.3 +5分05.2秒 暫定
5 11 ティエリー・ヌービル/マルティン・ヴィーデガ ヒョンデ 02:17:18.4 +6分05.3秒 暫定
6 95 ジョン・アームストロング/シェーン・バーン Mスポーツ・フォード 02:18:31.9 +7分18.8秒 暫定
7 20 ヘイデン・パッドン/ジョン・ケナード ヒョンデ 02:18:55.2 +7分42.1秒 暫定
8 13 グレゴワール・ミュンスター/ルイ・ルカ Mスポーツ・フォード 02:20:31.0 +9分17.9秒 暫定
9 18 勝田貴元/アーロン・ジョンストン トヨタ 02:21:13.9 +10分00.8秒 暫定
10 5 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン トヨタ 02:35:57.1 +24分44.0秒 再出走後の暫定順位
11 55 ジョシュ・マクアーリーン/オーウェン・トレイシー Mスポーツ・フォード 02:47:10.9 +35分57.8秒 再出走後の暫定順位