2026年10月4日のセパン決勝後、3位のトロフィーを掲げるハミルトン

10月4日、マレーシアのセパンで行われたF1バーレーンGPで、フェラーリの2台はともにソフトでのスタートの代償を払ったが、異なる道で立て直した。2番手スタートのハミルトンは一時17番手へ落ちながら、最終的に表彰台へ上がった。ルクレールは接触、パンク、フロントウイングの修理後に最後尾へ落ち、4位まで追い上げた。2台で27ポイントを獲得して損失を取り戻した一方、判断とマシン性能には個別に検証すべき課題を残した。

ハミルトン:後退後も走行を継続、ソフトでのスタート自体はミス

公開されたF1公式サイトのレース後インタビューによると、正式なスタート時も路面は濡れて滑りすぎており、ハミルトンは最初の周だけで先頭集団から約1分遅れた。チームは交換を提案したが、本人はコースにとどまって路面が乾くのを待った。最初にソフトを使うことと、その後ソフトを使い続けることは、順に行われた別の判断である。ハミルトンは序盤の選択が誤りだったと認めつつ、すでに後退した後はさらに賭ける価値があったと考えている。

ハミルトンは3位について、喜びと残念さが入り交じる結果だとした。結果は喜べるが、予選2番手の機会を十分に生かせなかったためだ。一方、マシンの感触と週末の準備にはより前向きで、エンジニア、メカニック、ピット作業を評価した。フェラーリ加入後では良い週末の1つと捉え、この状態を続けたいとした。

ルクレール:タイヤ交換に加え、フロントウイングの修理も必要に

ルクレールはレース後のコメントで、最初の周にヒュルケンベルグと接触し、パンクとフロントウイングの損傷が生じたと説明した。ピットではインターミディエイトへの交換に加え、フロントウイングも交換し、コースへ戻った時には最後尾だった。最初のタイヤ判断に加えて、必ず対処すべき損傷が生じていた。路面が乾くまで走り続けることでは、この修理を代替できなかった。

ルクレールは、前半は問題が相次ぎ、後半になって流れが良くなったとし、4位はその日獲得できる最高の結果だったと考えている。ただし、追い上げた結果を良いマシンの感触と同一視してはいない。挙動に一貫性が足りず、潜在力を常に引き出すことが難しかったという。ハミルトンのより前向きな評価とは対照的だ。

なぜ序盤にドライへ賭け、後半にどう挽回したのか

10月5日にF1公式サイトが掲載したバスールのレース後の振り返りは、スタート時の判断の背景を補足する。フェラーリは路面が急速に乾くと予想し、約26秒のピットによる損失も考慮した。実際の乾きは予想より遅く、ドライを使い続ける代償が増えた。バスールはインターミディエイトで出た方が良かったと認めた。26秒は自身が見積もったピットによる時間損失を指し、ルクレールには別にフロントウイング交換の修理があった。

2026年10月4日のセパン決勝で16号車のフェラーリを駆るルクレール

バスールはまた、ハミルトンのソフト管理を評価し、最初のスティント終盤も良いラップタイムを出せていたと述べた。練習時の路面温度は約60℃だったが、決勝は約30℃低く、条件が大きく変わったと指摘した。これは代表による当日の環境の説明であり、予選上位の結果と決勝の速さを、それぞれの条件に沿って評価すべきことも示唆する。

公開されたF1公式レースレポートによると、最後のセーフティカー前にはハミルトンがハジャーの背後へ追いつき、4位を争っていた。その後ラッセルがリタイアし、再スタートではハジャーが3番手、2台のフェラーリが直後についた。まずハミルトンが1コーナーで抜き、次の周の開始時にはルクレールも追い抜いた。公式結果では、3位と4位がそれぞれ15ポイントと12ポイントをフェラーリにもたらした。

フェラーリ2台の挽回経路の比較

ドライバー 序盤の主な損失 最終結果
ハミルトン ソフトで出て17番手へ後退、走行継続を選択 3位、15ポイント
ルクレール 接触後のパンクとフロントウイング損傷、修理後に最後尾 4位、12ポイント

INKA SPORTS 分析:挽回力と序盤のミスを分けて評価する

スタート時の賭けの利益は、ソフトに適する状態まで路面が十分早く乾くかに依存し、約26秒のピット損失はその比較の片側にすぎない。フェラーリは滑りやすい状態が続く長さを過小評価し、序盤の判断に失敗した。ただし、ハミルトンがすでに後退した後、走り続けることが損失の挽回に役立つかは、その後の乾き方とタイヤ性能による。ルクレールは先に車を修理する必要があり、2人の選択の余地はすでに異なっていた。最終3位、4位から最初の選択が正しかったと逆算することも、2つの挽回経路の優劣を直接決めることもできない。

フェラーリの挽回には自身の速さに加え、終盤の争いの条件変化も含まれる。ハミルトンはセーフティカー前にハジャーへ迫っており、追い上げは隊列の再集合だけによるものではない。セーフティカーとラッセルのリタイアは、再スタートで2台が直接3位を争える状況も作った。ハジャーはレース後のコメントで、最初の2周のエネルギー不足で防御が難しかったとも述べた。これらが重なって最後の2度の追い抜きにつながっており、表彰台をすべてソフトを使い続けたことの成果にはできない。

ハミルトンの良い感触、最初のソフトのスティント終盤の速さ、セーフティカー前の追撃は、フェラーリに挽回に必要なレースペースがあったことを裏づける。一方、ルクレールは4位を得ても一貫性の不足を訴えた。成績の回復と、2人がともに安定して力を発揮できることは別である。より意味のある比較は、隣り合うフィニッシュ順位だけでなく、同じレース段階で2台が継続して性能を出せるかどうかだ。

まとめ

セパンでのフェラーリの好材料は、苦境からの追撃力とハミルトンの長いスティントでのタイヤ管理が、実際の走りで裏づけられたことだ。改善すべきは、序盤の路面が乾く速さの判断と、ルクレールが潜在力を引き出す際の安定性である。3位、4位でポイントは取り戻したが、この2つの問題まで解決したわけではない。今後はウェットのスタート判断の根拠と、2台が続けて攻める際の性能を別々に検証し、この挽回力をより損失の少ないレースへ変えられるか見極める必要がある。