2026年F1アゼルバイジャンGPで、フェラーリのシャルル・ルクレールは4位、ルイス・ハミルトンは6位に入った。ルクレールはレース後、チームは最近アップグレードが不足しており、前を走るチームとの差を縮める必要があるとの考えを示した。チーム代表フレデリック・バスールは9月28日公開のF1公式インタビューで、新パッケージは「間もなく」投入すると応じたが、導入日は明かさなかった。
バクーで生じた差:フロントロウの位置を守れなかった理由
ルクレールは予選2位を獲得したものの、決勝の序盤に5位まで後退。その後、オスカー・ピアストリのミスによって4位に戻った。バスールによれば、チームはパワーが重要なこのサーキットでフロントロウを獲得できるとは元々予想しておらず、その位置からスタートしても、序盤やセーフティカー後のリスタートで守り切るのは難しいと分かっていたという。4位と6位はバクーで達成できる最善の結果だったと考えているが、それでチームが満足することはないとした。
バスールは、難しさは一連のトレードオフにあると説明した。ストレートで簡単に抜かれないようにするため、理想より少ないダウンフォースを選ぶ場合があり、それによってラップタイムを失うという。モンツァでも、速さと予選のパフォーマンスはまずまずだったのに、序盤のストレートで順位を失うという似た状況があったと述べた。
タイヤの作動温度と開発の方向
ハミルトンは決勝で振るわなかった大きな要因として、タイヤを適切な作動温度に入れる難しさを挙げた。この問題はプラクティスの段階でも指摘していた。9月24日のインタビューでは、アウトラップと準備の1周を走ってもタイヤがグリップを発揮せず、さらに1周走ると突然機能し始める場合があると話した。ハミルトンは、ストレートの速さでもメルセデスに劣ると認めた。
開発について、バスールはパワーユニットよりもシャシーの方が短期間で改善しやすいと考えている。ただし、ライバルの改善によってフェラーリが元々持っていたシャシーの優位性は縮まり、なくなっている可能性さえあるという。新部品は細かな調整を経て初めて効果を発揮する場合もあると指摘し、今季のアップデートを進めながら、翌年の規則変更への準備も必要だと述べた。F1は9月24日の技術アップデート一覧で、フェラーリの課題を既存パッケージの性能を引き出すことと説明した。一方、マクラーレンはサイドポッド、フロア、ディフューザー、リアウイングなどのアップデートを持ち込んだ。

INKA SPORTS 分析:フロントロウを獲得してもフェラーリに足りないもの
ストレートで守る難しさが、なぜ1周全体に影響するのか
ダウンフォースは空気がマシンを路面に押し付ける力で、グリップを増やし、コーナリング速度を高める助けとなる。一方、ダウンフォースを少なくするセットアップは空気抵抗を減らし、ストレートの速度を確保しやすくする。バスールが説明した難題は、ストレートで簡単に抜かれないようにするため、理想のダウンフォース設定から離れる必要があり、その結果ラップタイムを失うことだ。ルクレールは予選2位だったが序盤に5位へ後退しており、フロントロウでもこのトレードオフは解消されなかった。ストレートで位置を守ることと、1周全体の速さを出すことを同時に解決する必要がある。
グリップがあるだけでなく、加速したい時に使えることも必要
ハミルトンの説明は別の制約を示している。もう1周走るとタイヤのグリップが急に増すということは、マシンの速さがタイヤを十分に準備できたかどうかにも左右されるということだ。ある1周を速く走れることと、コースインして準備を終えた直後から順調にペースを上げられることは、異なる要求である。バスールが語ったのはダウンフォースの選択によるラップタイムの損失であり、ハミルトンが語ったのはタイヤがいつグリップを発揮するかという問題だ。両方が同時に存在していることから、フェラーリの課題をストレート速度の改善だけで捉えることはできない。
ライバルは開発を続け、既存のシャシーの優位性も縮小
バスールが述べたシャシーの優位性の縮小は、ライバルとの相対的な変化を指している。バクーの技術アップデート一覧では、フェラーリはその週末も既存パッケージの性能を引き出すことに取り組む一方、マクラーレンは複数の空力アップデートを投入していた。したがって、フェラーリがアップグレードを必要とする理由は、現行マシンの扱いの難しさだけでなく、ライバルが開発を進めていることにもある。同時にバスールは、新部品の中には細かな調整を経て初めて効果を発揮するものもあると強調した。部品を投入することと、レースでその性能を引き出すことは、今後の開発における2つの段階となる。
まとめ
バクーでのフェラーリの難しさは互いにつながっていた。ストレートで位置を守る必要がダウンフォースの選択に影響し、タイヤの準備がグリップを得られるタイミングを左右する。さらにライバルの進歩が、元々あったシャシーの優位性を縮めている。ルクレールのフロントロウ獲得は1周の速さを示したが、決勝の4位と6位はレース全体での制約を浮き彫りにした。バスールはシャシーの早期アップデートを約束したものの、これらの問題に対応してレースでのパフォーマンスを改善するには、新部品、セットアップ、タイヤの使い方を組み合わせる必要がある。