17ポイントのリードでシーズン最終局面に入るエルフィン・エバンスは、WRCドライバーズタイトルの行方はまだ大きく開かれていると考えている。Motorsport.comが9月18日に掲載したインタビューで、トヨタのエバンスはサルディニアのグラベルで先頭走者を務めるのは難しいとし、他のラリーと同じように準備しなければならず、ゆっくり走るだけでは首位を守れないと述べた。直前のチリで経験したパンクが、警戒を続ける直接の理由である。
1戦減っても、最大35ポイントを争う
FIAとWRCプロモーターは9月17日、ラリー・サウジアラビアのWRC部門を今年は開催しないと発表した。変更案では、10月1日から4日のサルディニアが第13戦かつ最終戦になる。ただし、発表はカレンダー変更に世界モータースポーツ評議会の承認が必要だとも説明している。取りやめるのはサウジのWRC部門であり、中東ラリー選手権の部門は予定どおり11月に行われる。
トヨタのチリ終了後のポイント表では、エバンスが230点、サミ・パヤリが213点、オリバー・ソルベルグが209点で、後続2人との差はそれぞれ17点と21点だ。FIAの2026年競技規則では、通常の満額ポイントが与えられる場合、総合優勝に25点、日曜の累計成績首位とパワーステージ首位に各5点が加わり、合計35点となる。パワーステージのタイムは日曜の累計成績にも含まれるため、最終戦ではラリー全体の成績に加えて、この二つの加点も重要になる。
チリのパンクは総合と日曜の成績の両方に打撃
トヨタの9月13日付レース後報告は具体的な経緯を示している。エバンスは土曜終了時に2位を守り、日曜の最初のステージを制して日曜累計でも一時首位に立った。しかし、最後から二つ目のステージでパンクし、停止してタイヤを交換したことで約2分を失い、総合5位に後退した。その後のパワーステージでは2番手となり、ソルベルグから0.5秒遅れ、パヤリを0.1秒上回って、この部門の4ポイントを得た。
エバンスはインタビューで、ソルベルグがチリで20ポイントを取り戻したことは、数字上の優位が急速に縮まり得ると示すものだと述べた。また、パンクの具体的な原因はまだ分からないという。エバンスにとってチリの教訓は、サルディニアでただ完走を目指すのではなく、通常どおり競争力のある成績を追い続けることにある。

先頭走者の不利は実際の路面次第
エバンスが懸念するのは、選手権首位としてグラベルを最初に走る際、浮いた土砂を掃くことがグリップに影響する点だ。トヨタのチリ金曜の記録では、雨が、それ以前の数戦で彼が直面した路面掃除の不利を打ち消したともされている。サルディニアでの先頭走行も、実際の路面の乾湿や浮いた土砂の状態と合わせて評価する必要がある。トヨタのサルディニア紹介は、ステージが高速かつ狭く、路面が荒れて石が多いことを強調している。
INKA SPORTS 分析:リードを守るにも日曜のポイントが必要
チリの最終日は、一つのトラブルが二つの成績を変え得ることを示した。停車時間は総合タイムにも日曜累計にも加わる一方、その後のパワーステージでは別途ポイントを獲得する機会が残る。エバンスが総合5位に落ちてもパワーステージ2番手を取れたことは、この三つを混同できない例だ。最終的な総合順位だけを見ると、日曜の失点と最終ステージでの加点がタイトル争いの差に及ぼす影響を見落とす。
1戦が減ったことで、エバンスも追う側も、悪い週末を埋め合わせる機会を一つ失った。首位の選手は損失を抑えながら、各部門のポイントを狙える速度も維持しなければならない。17ポイントという差を、一定の安全な車速に換算することはできない。サルディニアでどの程度慎重に走るべきかは、実際の先頭走行の条件、2人のライバルとのタイム差、日曜累計とパワーステージの位置を合わせて判断する必要がある。「無事に完走した」だけでリードを守れたとは推測できない。
まとめ
エバンスはポイントの優位を持ってサルディニアに備えるが、チリでは日曜の一度のパンクが複数の得点部門に影響することが明らかになった。カレンダー変更により、タイトルを争う機会は最終戦へ集約される。首位のエバンスにも、競争力のあるペースを維持し、実際の路面に対応し、日曜の加点を狙う仕事がなお残っている。