2026年MotoGPオーストリアGPのFP1でレッドブルKTMのファクトリーマシンを走らせるペドロ・アコスタ

ペドロ・アコスタが1分28秒381で2026年MotoGPオーストリアGPの金曜プラクティスをリードし、KTMはホーム初日の好調な出だしを維持した。フェルミン・アルデゲルが0.127秒差で2番手、復帰した小椋藍が1分28秒568で3番手となった。ドライ条件でトップ10の差は0.436秒、Q2への直接進出最後の枠はわずか0.004秒で分かれた。

アコスタが先に基準を作り、終盤も首位を守る

MotoGP公式レポートによると、午後のプラクティス開始20分の時点で、1分28秒台に入っていたのはアコスタだけだった。後半にはまず1分28秒507を記録し、その後1分28秒381まで短縮した。残り2分でアルデゲルが2番手に浮上し、ブラッド・ビンダーも再びタイムを更新したが、首位は揺るがなかった。

アコスタは午前のFP1でも1分29秒851で首位に立ち、ポル・エスパルガロが1分30秒084で続いてKTMが上位2人を占めた。午後はビンダーが7番手となり、レッドブルKTMのファクトリーライダー2人はともにQ2へ直接進出した。一方、Tech3のバスティアニーニとポルはそれぞれ14番手と15番手で、Q1から通過を狙う。午前にメーカーとして上位を独占した結果は、KTM4台すべての直接進出にはつながらなかった。

小椋藍が復帰初日を終える クアルタラロが進出ラインを守る

小椋藍は手のけがでアラゴンとサンマリノの2戦を欠場し、当初はオーストリアのFP1のみ出走を認められ、その後に再評価を受ける必要があった。MotoGP公式サイトの金曜更新で、FP1後の再検査を通過し、週末の残るセッションへの参加を認められたことが確認された。公式計時表では、午前の19番手、1分31秒255から午後の3番手へ浮上し、復帰初日をQ2直接進出で終えた。

マルク・マルケスが1分28秒585で4番手、ホルヘ・マルティンはわずか0.018秒差で5番手となった。トップ10の後半にはディ・ジャンアントニオ、ビンダー、アレックス・マルケス、ベッツェッキ、クアルタラロが並ぶ。クアルタラロの1分28秒817は11番手のマリーニより0.004秒速く、ヤマハは直接進出枠を一つ守った。

2026年MotoGPオーストリアGPの事前記者会見に出席するホルヘ・マルティンとマルク・マルケス

ホンダ4台はQ1へ バニャイアは18番手

ホンダ勢はマリーニ、ザルコ、モレイラ、中上貴晶がそれぞれ11、12、13、20番手となり、全員がQ1を走る。バニャイアは1分29秒266で18番手、アコスタから0.885秒、チームメイトのマルク・マルケスから0.681秒遅れた。リンスとモルビデリが16、17番手、ラウル・フェルナンデスが19番手で、ミラーとラズガットリオグルが最後尾に並んだ。直接進出の10人は、ドゥカティ4台、アプリリア3台、KTM2台、ヤマハ1台で構成される。

順位 ライダー チーム タイム差 周回数
1 ペドロ・アコスタ レッドブルKTMファクトリーチーム 1:28.381 22
2 フェルミン・アルデゲル グレシーニ +0.127 26
3 小椋藍 トラックハウス +0.187 25
4 マルク・マルケス ドゥカティ +0.204 28
5 ホルヘ・マルティン アプリリア +0.222 30
6 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ VR46 +0.252 26
7 ブラッド・ビンダー レッドブルKTMファクトリーチーム +0.269 25
8 アレックス・マルケス グレシーニ +0.321 24
9 マルコ・ベッツェッキ アプリリア +0.430 26
10 ファビオ・クアルタラロ ヤマハ +0.436 26
11 ルカ・マリーニ ホンダ +0.440 26
12 ヨハン・ザルコ カストロール・ホンダLCR +0.484 21
13 ディオゴ・モレイラ ホンダLCR +0.558 26
14 エネア・バスティアニーニ レッドブルKTM Tech3 +0.680 27
15 ポル・エスパルガロ レッドブルKTM Tech3 +0.710 26
16 アレックス・リンス ヤマハ +0.720 22
17 フランコ・モルビデリ VR46 +0.810 27
18 フランチェスコ・バニャイア ドゥカティ +0.885 26
19 ラウル・フェルナンデス トラックハウス +0.949 27
20 中上貴晶 ホンダ +1.215 28
21 ジャック・ミラー プラマック +1.568 23
22 トプラク・ラズガットリオグル プラマック +1.601 27

INKA SPORTS 分析:首位を築いた時点と進出ラインの重み

計時表によると、アコスタは全22周のうち13周目に最速を記録した。一方、2番手のアルデゲルは25周目、すなわち最後から2周目に自己ベストを出した。公式レポートが伝える中盤の首位走行と合わせると、KTMの好材料は早めに基準を作り、ライバルが終盤に速めても優位を守った点にある。これは、両セッションの最速タイム差1.470秒だけを見るよりも説明力がある。二つの計時表の路面温度は15℃と19℃だが、各車のタイヤ状態やテスト内容は記されておらず、最速ラップだけで決勝のロングランペースを証明することもできない。

一方、0.004秒という小さな差は、予選の経路全体を変える。ホンダは午前に3人がトップ10だったが、午後は全員が進出ラインの外となり、FP1の順位が資格を決めるプラクティスの成績の代わりにならないことを示した。現行方式では残る12人がQ1でわずか二つのQ2進出枠を争う。マリーニとバニャイアが向き合うのも同じ関門だ。金曜10番手と11番手の差は、上位12グリッドを争う段階へ直接進めるかどうかであり、土曜のスタート順が既に決まったという意味ではない。

まとめ

アコスタが中盤に築き、終盤に守った首位は、KTMに前向きな競争上の基準を与えた。小椋藍も、週末の走行継続を認められた後にQ2直接進出という出発点を得た。次はKTMがこの相対的な優位を予選へ持ち込む必要があり、ホンダとバニャイアはまず12人から2人が通過するQ1を突破しなければならない。金曜には準備の二つの経路が分かれたが、正式なグリッドはなお予選で決まる。