ハースの小松礼雄代表は現地時間10月30日、メキシコGPのFIA記者会見で、オリバー・ベアマンが年俸600万ユーロを要求したため契約延長が遅れているとの説を否定した。小松はこれを「まったくのナンセンス」と表現し、事実とは大きく異なると説明。2027年も双方が協力を続けたいと考えている一方、新契約の発表はなく、合意の公表が遅れている具体的な理由も明かさなかった。
金額のうわさは否定、契約の詳細は明かさず
今回の回答では、広まっている年俸の話と、非公開で進む実際の契約交渉が区別された。ベアマンが早期発表を望んでいるとの質問に、小松は双方の意向が完全に一致しており、共に仕事を続けるための解決策を探していると答えた。600万ユーロという数字については、転送されてきたSNSの情報で初めて目にしたとし、確認されていない話が繰り返し拡散される状況を批判した。
小松がベアマンを評価する理由は、チームへの貢献にある。速さは最初から備えており、その後は安定した力の発揮、意欲の維持、周囲を引っ張る力に成長が見られるという。マシンの競争力が不足したシーズン中盤には、良い走りをしても13位、14位にとどまる状況があったが、ベアマンは不満を抱える中でもチームを励ましたと説明した。

会見ではフェラーリとの協力関係も話題になった。小松は、両チームはオーナーが異なり、レッドブルとレーシングブルズのような共通のドライバー育成体制を持たないと強調した。協力によって若手に接する機会は得られるが、フェラーリからベアマンの正ドライバー起用を求められたわけではないという。ラファエル・カマラについても、協議を経て旧型車でのテストを行い、その速さを確認してハースが選んだと説明した。
INKA SPORTS 分析:若手へのアクセスと起用の決定は別の段階
二つの回答を合わせると、交渉を単なる年俸の数字の争いとして捉えるより、判断の構造がよく見える。小松はベアマンへの評価を示すと同時に、ハース自身がドライバーを評価して選ぶ過程を重視している。フェラーリとのつながりは面談やテストの機会を生むが、シートの決定そのものに代わるわけではない。同様に、双方が継続を望むことは交渉の土台であり、全条件の合意を意味しない。
小松は将来の協力を2027年型マシンの準備とも結び付けた。まず競争力のある車両が必要だと述べ、2026年の誤りが翌年の取り組みにも影響していると認めた。チームは自ら制御できる部分に集中し、ベアマンと共に前進することを望んでいる。未確認の年俸額よりも、ドライバーの安定した貢献とチームの努力を、より競争力のあるマシンにつなげる課題が示された形だ。
まとめ:共に成長する意志を契約と競争力につなげる
今回明確になったのは、年俸のうわさがチーム代表によって否定され、双方の継続意向が改めて確認されたことだ。協力関係を通じて機会を得たうえで、自らのテストと評価で起用を決めるというハースの方針も説明された。2027年の体制を具体化するのは正式契約とマシン開発の進展であり、小松の前向きな姿勢だけでは、契約期間、金額、発表日までは確定しない。