9月26日のF1アゼルバイジャンGP後、アイザック・ハジャー、カルロス・サインツ、ガブリエル・ボルトレトはFIAによる召喚と聴取を経て、それぞれ裁定を受けた。ハジャーとサインツはレコノサンスラップ中のピット出口の指示に従わなかったとして、各自警告。ボルトレトは黄旗下の追い抜きで10秒加算となった。第60〜62号の召喚文書で始まった3件の調査は、第68〜70号の文書でそれぞれ結論が示された。
レコノサンスラップの出口:スタート練習を行う場合と、そのままコースへ出る場合では経路が異なる
今回のレースディレクターの指示第13.6項では、グリッドへ向かうレコノサンスラップ中、スタート練習はピット出口通路の左側に設けられた所定の枠内で行うことができ、通路とコースを分ける白線を越えてはならないと定められていた。一方、スタート練習を行わないマシンは、できるだけ早く白線を越えて通常の走行ラインへ入り、その後出口通路へ戻ってはならない。
第69号の裁定は、ハジャーが最終的にスタート練習を行わなかったにもかかわらず出口通路にとどまり、前方のマシンの右側を通過してからコースへ入ったと認定した。元々は練習を予定していたが、遅い段階で中止して再発進したため、その過程で注意がそれたという。スチュワードはレースディレクターの指示に従わなかったと判断する一方、こうした軽減事情を認め、運転上の戒告ではなく警告とした。
第70号の裁定では、サインツはスタート練習を行う予定がなかったのに同じく出口通路にとどまり、練習を待つマシンの右側を通過した。聴取では、ウイリアムズが誤った走行指示を出し、本人がそれに従っていたと確認された。スチュワードは違反を認定したが、誤った指示を大きな軽減事情と捉え、最終的に警告を与えた。
ボルトレトの事案:セーフティカー未導入でも黄旗は独立して有効
第68号の裁定によると、事案は決勝のリスタート後の1周目、ターン6と7の間で起きた。現場では実物の「SC」ボードと振動黄旗が同時に提示されていたが、実際にはセーフティカーは導入されていなかった。ボルトレトは対応する電子表示を見ておらず、チームからもセーフティカーは出ていないと伝えられ、その後セルジオ・ペレスを抜いた。

スチュワードは表示の食い違いによる混乱を認め、セーフティカー中の追い抜きという認定は除外したが、ボルトレトは黄旗を見たと認めていた。振動黄旗そのものには従う必要があるため、黄旗下の追い抜きとして10秒加算とした。FIAの決勝最終分類ではハジャー3位、サインツ10位で、ボルトレトは加算後15位となった。
INKA SPORTS 分析:軽減事情が規則を守る責任を免除しなかった理由
第13.6項は、スタート練習を行うマシンと直接グリッドへ向かうマシンを異なる経路へ分けるものだ。練習をせずに通路へ残り、発進を待つマシンの脇を通れば、この分離が機能しなくなる。ハジャーの直前の計画変更は、単に練習を1回省くことだけでなく、その後の走行手順も変えるものだった。2件の処分の根拠は適用される経路の指示を実行しなかったことで、違反の認定に接触の発生は必要ない。
警告という処分は、スチュワードが個人の責任の程度を区別したことを示す。ハジャーの軽減事情は操作計画の直前変更で注意がそれたことで、サインツはチームの誤った指示に従ったことだった。裁定はどちらも全面的な免責とはせず、ドライバーにはレースディレクターの要求を守る責任が残り、具体的な事情は処分の程度を軽くするものとした。チームの通信は動作が生じた経緯を説明できるが、すでに明確な走行要件の中で判断する必要がある。
ボルトレトとサインツの事案では、通信の役割が特に異なる。チームがボルトレトに伝えた「セーフティカーは導入されていない」という情報自体は正しかった。誤りは、その確認を目にした黄旗の否定にも使った点にある。セーフティカーの状態と黄旗の有効性は独立した2つの判断であり、前者によって1つの違反の疑いは除外されても、後者だけでタイム加算を裏付けるには十分だった。3件を「いずれも不明確な情報を受けた」とまとめて、同じ処分基準で扱えない理由でもある。
まとめ
3件が示した境界は明確だ。レコノサンスラップの走行経路は実際の操作に応じて適用され、黄旗は独立した拘束力を持つ。計画変更、チームの誤指示、現場の表示の食い違いは、スチュワードが原因と責任を評価する際に影響するが、規則を守る義務を自動的に解除するものではない。2件の警告は違反成立後の軽減判断を示し、10秒加算は黄旗下の追い抜き禁止を維持したもので、それぞれ今回の異なる結論を説明している。