エサペッカ・ラッピが、プロとしてのラリー活動を無期限で休止すると発表した。ただし、将来一部の大会に出場する可能性は残している。Motorsport.comが9月21日に掲載した記事によると、35歳のヒョンデWRCドライバーはシュコダ・フィンランドの記者会見で決断を明かした。発表時点では、同じ週に行われるフィンランド・ラリー選手権最終戦のPorvoon Autopalvelu Ralliに出場する予定だった。
シリーズ参戦は休止、単発出場の可能性は残す
ラッピによると、この休止は本人が改めて発表するまで続く。現時点ではフィンランド・ラリー選手権やほかのシリーズに継続参戦する予定はない。プロとしての競技復帰日は示さず、再び走る可能性を完全に閉ざすことも望んでいない。将来1つの大会を選んでマシンを走らせるかもしれないということと、新シーズンの参戦を約束することは別だ。
ラッピは、この決断は非常に大きく、公の場で口にする際にも少し震えていたと率直に話した。ラリーは多くを与え、家族の経済的な将来を支える助けにもなったが、同時に家族と過ごす時間を多く奪ってきたという。限界で走ることや成功したときの高揚感は今も大切で、休止後に同じ感覚を見つけるのは難しいのではないかとも感じている。こうした言葉は、競技への愛情を失ったための休止ではないことも示している。
WRCで2勝、近年は部分参戦へ
ラッピは2011年にWRCフィンランドで初出場し、2016年にはシュコダでWRC2の年間タイトルを獲得した。翌年トヨタから最高峰クラスに進み、フィンランドで初勝利を挙げた。ヒョンデ公式の経歴とFIAの競技記録によると、WRCでの2勝目は2024年のラリー・スウェーデンで、その際のコドライバーはヤンネ・フェルムだった。9月21日の記事の集計では、WRCで通算2勝、表彰台15回を記録している。

ヒョンデの2026年ラインアップ発表では、3台目のi20 N Rally1をラッピ、ダニ・ソルド、ヘイデン・パッドンが交代で担当し、ラッピのコドライバーはエンニ・マルコネンとされた。ラッピはその発表で、フィンランド選手権への参戦が運転のリズムを維持する助けとなったと説明していた。WRC復帰後は、大会ごとにチームと目標を決め、得点を挙げてチームメイトを支えたいとしていた。今回の決断を発表する前から、彼の役割は部分参戦だった。
休止後についてMotorsport.comは、シュコダ・フィンランドの育成プログラムに所属する若手、ラウリ・ハロネンへの指導をラッピが続けるとも伝えた。トヨタ、シトロエン、Mスポーツ・フォード、ヒョンデなどで積み重ねた経験を育成に生かし、今後も若手の成長に関わることになる。
INKA SPORTS 分析:参戦を減らした後も、なぜ休止を選ぶのか
近年のラッピの参戦形態を踏まえると、今回の見直しはWRCの出場大会を数戦減らすよりも広い範囲に及ぶ。今年すでに3台目を交代で走らせる形を取っていたにもかかわらず、フィンランド選手権やほかのシリーズもまとめて休止対象にした。家族との時間に関する本人の説明と合わせると、重要なのはプロとして継続参戦する生活全体のペースをどう選ぶかにある。将来時折マシンを走らせたり、若手を指導したりする余地を残すことで、競技の楽しさと経験の継承は保てる。ただし、それは定期的な参戦再開の約束ではない。
まとめ
今回の決断の核心は、ラッピが継続的なプロの参戦計画を休止しつつ、個別の大会への出場と若手育成の余地を残したことだ。WRCでの2勝と長年のワークス活動の価値が失われるわけではないが、今後どのように関わるかは、新たな具体的な計画によって決まる。発表時点で確かなのは、活動を休止することと、この競技とのつながりを保つ意思があることだ。