アストンマーティンとホンダによる2026年F1パワーユニット提携のイメージ図

メルセデスのチーム代表トト・ウォルフは、F1パワーユニットの追い上げ支援制度について議論を続けることを支持し、ホンダにはさらに支援が必要だと考えている。Motorsport.comによると、発言はフェルナンド・アロンソとFIA会長モハメド・ビン・スライエムがアストンマーティンの競争力について話し合った後に出た。これは規則調整に関するチーム代表の意見であり、FIAがホンダに新たな追加アップグレードを承認したということではない。

ウォルフとメキースはいずれも調整の議論に前向き

ホンダはF1への本格的な取り組みを再開した後、2026年パワーユニットの出力、重量、信頼性に課題を抱えている。Motorsport.comによると、最初の改良の効果は限られ、アロンソとランス・ストロールは依然として後方で苦戦している。ウォルフは、ADUOはもともと後れたメーカーの追い上げを助ける手段であり、アロンソがFIA会長と話すのは妥当だと考えている。一流メーカーに競争力を持たせるためには、規則を調整すべきかを検討する場合もあるという。

レッドブル代表のローラン・メキースも、議論する用意があると述べた。各チームは今年、大きく後れたメーカーを支援するため、一度の調整を投票で支持したと振り返った。レッドブルは自らが追加機会を得られなかった測定結果に不満を残しているが、メキースは関係者が現行規則の不十分な点をともに話し合うべきだと考えている。2人の代表は協議の継続を支持しており、具体的な基準や回数が変わるかは正式決定を待つ必要がある。

追加機会の配分と測定方法

ADUOは「追加開発・アップグレード機会」を意味し、所定の性能差に達したパワーユニットメーカーへ追加の認証と開発の余地を与える。FIAは8月26日、最初の評価期間でメルセデスの内燃機関性能指数が基準から2%から4%後れていたため、2026年と2027年に各1回の追加認証機会を得たと発表した。アウディ、フェラーリ、ホンダは4%超の差で、両年に各2回を得た。第2評価期間では、どのメーカーにも新たな追加認証機会は与えられなかった。

FIAの5月の規則説明によると、評価には走行中の入力軸トルク、エンジン回転数、電気モーター出力などのデータを使い、出力がラップタイムへ及ぼす影響の重みも考慮する。各社のエンジンを同じベンチに載せて統一試験をする方式ではなく、車載状態での流体温度や外部の空力要因も統一条件に補正されない。FIAは、具体的な性能指数は機密情報であり、各社の詳細な数値を公表しないと明言している。

アストンマーティンのチームウエアでスペインGPに参加するフェルナンド・アロンソ

INKA SPORTS 分析:追い上げ枠を得ても先頭で走り得る理由

鍵は、評価する対象が異なることにある。ADUOが測るのは内燃機関であり、パワーユニット全体にはエネルギー回生と電力出力のシステムも含まれる。マシンの最終的な性能には、ボディーやシャシーなども影響する。したがって、チームがレースをリードしていても、その内燃機関が追加機会の基準を満たすことを否定する根拠にはならない。メルセデスが枠を得たことと、外部からパワーユニット全体が強力だと評価されることは両立する。公開順位だけでは、FIAが機密とする内燃機関指数は再現できない。

第2期に新しい枠がなかったことも、各社が追い付いた証明にはならない。FIAによると、同じシーズンの追加認証機会は評価期間ごとに重複して積み上がらず、翌シーズン向けに付与される機会には別の累積ルールがある。そのため、「新しい枠がない」と「性能差がなくなった」は別の意味だ。ホンダの最初のアップグレードが有効だったかを判断するには、前後の比較可能な条件での性能と具体的な技術説明が必要であり、2回の機会を得たことだけで問題が解決したとは言えない。

この制度が与えるのは改善の条件であって、後れたエンジンを直接速くするものではない。FIAは、ADUOが燃料流量やバラストを一時的に変えて性能を均衡させる仕組みではなく、追加認証、コスト上限の計算、ベンチ稼働の面で余地を与えるものだと強調している。メーカーはその余地を有効なアップグレードへ変えなければならない。ウォルフの「ホンダにはなお支援が必要」という発言は、現行の追い上げ手段が十分な効果を生めるかに関わるものであり、枠をさらに増やせば必ず差が埋まるという意味ではない。

まとめ

今回の議論が示す中心的な問題は、開発機会と実際の追い上げ効果の間に、なお距離があることだ。現行の結果ではホンダが両年に各2回の追加認証を得たことは確認されているが、それだけでは競争力がどれだけ改善するかは分からない。今後は正式な規則が調整されるかと、ホンダの改良が具体的な根拠を伴う改善を生むかを別々に見る必要がある。代表が協議を支持すること、枠が認められること、マシンが速くなることは、それぞれ判断しなければならない。