レッドブルのスタートは改善しているが、この分野で基準となるには、来年の設計とハードウェアの変更を待つ必要がある。チーム代表のローラン・メキースはアメリカGP後、2026年の残りは小さな改善を追求し、大きな変更は2027年になると時期を明確にした。マシンが再び優勝争いに近づくにつれ、スタートで順位を失う代償も重くなっている。
毎戦の改善を続け、大幅な変更は来年へ
オースティンではマックス・フェルスタッペンとアイザック・ハジャーがともに、スタートの悪さと序盤の電力デプロイメントが理想的でなかったことから1周目に順位を落とし、最終的に3位と6位に終わった。メキースは開幕時に比べてこの分野の差を縮めたと認めつつ、ライバルの最高水準には達していないとした。マシン全体の競争力が上がったことで、周囲も速さと遂行力に優れる中、従来のスタートの弱点がより目立つようになった。
メキースによると、チームは毎戦学び、差をさらに詰める方法も見つけているため、年内にも改善の余地がある。ただ、今季終了までにスタートの基準となることはなく、その段階に進むには「大幅な設計とハードウェアの変更」が必要で、それは来年にしか実現しないと明言した。具体的な部品、投入する大会、予想される効果は明かしていない。
ハートが無線を担当、ランビアーゼは支援を継続
同じ週末、フェルスタッペンのレース無線を担当する声も変わった。通常のレースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼに代わり、トム・ハートが担当した。レースエンジニアはドライバーと後方のエンジニア陣の情報をつなぎ、車両の感想、レース状況、チームの決定を明確にコクピットへ伝える役割を担う。F1公式の報道は、残りシーズンに両者が交代でこの役を務めると確認している。
メキースはハートの初戦を評価し、初めての予選と決勝で後方のエンジニア陣の仕事をフェルスタッペンへ有効に伝えたと語った。アメリカGPは複雑で、3位もチームには悔しい結果だったが、新任者に責任を帰さなかった。また、ランビアーゼが裏方で十分に支えたと指摘し、新しいエンジニアとドライバーの信頼関係はすぐに再現できるものではなく、築くには時間が必要だとした。

決勝でアンドレア・キミ・アントネッリに敗れたことへの評価も率直だった。相手の方が当日は速く、タイヤや戦略を言い訳にはできないという。1ストップと2ストップの総レースタイムはかなり近かったと見ている。チームには改善すべきスタートと遂行上の問題がある一方、通常のレースペースでも相手が優位だったと認めた形だ。
INKA SPORTS分析:短期の改善と長期の変更は別の課題に応える
メキースの時間軸は、レッドブルが残りのレースでスタート改善を間近に迫る大幅なハード変更に託せないことを意味する。進められるのは毎戦学んだ細部の改善で、より根本的な設計変更は翌年の仕事だ。今季の進歩を見るには、現状の条件でより安定してスタートを決め、全体の速さの向上を1周目の後退で損なわずに済むかに注目する必要がある。
エンジニアの交代起用は別の取り組みだ。ハートがレース中の情報を整理して伝え、ランビアーゼが後方から支えることで、実戦の中で引き継ぎを少しずつ進められる。ハートへの評価とスタートのハードウェアに関する判断は矛盾しない。エンジニアとの連携は実戦経験を積んで深める一方、スタートでは現状の細部の改善と来年の設計変更を並行して進めるということだ。
まとめ
レッドブルは明確な順序を示した。今季は小さな改善を積み重ね、来年に大幅な設計とハードウェアの変更を行う。同時に、フェルスタッペンと交代で担当するレースエンジニアの連携を育てていく。次に注目されるのは、スタートがより安定するか、そして順位を守った上で、すでにあるマシンの速さを結果に結び付けられるかだ。