マクラーレンの今季の開発はまだ終わっていないが、次のメキシコGPに多くの新要素は持ち込まれない。チーム代表のアンドレア・ステラはアメリカGP後、今後のアップグレードをブラジルとラスベガスに分けて投入すると明らかにした。これらの変更により、より安定して表彰台を争い、優勝に必要な競争力へ徐々に近づくことを期待している。
投入時期は明らかに、具体的な部品は未公表
ステラの発言は直近の作業の順序を示した。メキシコでの変更は限定的で、ブラジルとラスベガスでアップグレードが到着する。複数の改良計画が進んでいるものの、今回は部品の一覧もラップタイム上の効果も明かされなかった。オースティンで5位と7位だったマクラーレンにとって、その先の更新は成績改善に向けた新たな開発機会となる。
アメリカGP決勝では、ランド・ノリスが1ストップ戦略で一時2番手に浮上したが、最終的に2ストップのマックス・フェルスタッペン、シャルル・ルクレール、ルイス・ハミルトンに抜かれた。ステラは当日のマクラーレンの決勝での競争力はフェラーリ、レッドブルに近く、アンドレア・キミ・アントネッリが他を上回っていたと見ている。また、1ストップはセーフティカーを利用する可能性を残すためだったが、フェルスタッペンとルクレールを最後まで抑えるのは難しいと理解していたと説明した。
低速コーナーでの損失と、引き出しにくい性能
ピットストップ回数以上に、ドライバーの感想は開発上の課題を直接示している。ノリスはマクラーレン公式サイトのインタビューで、オースティンのターン12、13、15など極低速の区間で、1周あたり0.3秒近くを失ったと語った。改善すべき点は分かっているが、現在の進歩はまだ十分に大きくないという。これはノリスによる同コースでの走りの評価であり、アップグレードで取り戻せるとチームが約束したタイムではない。
オスカー・ピアストリは難しさを、性能を引き出せれば速さはまずまずだが、それを実現するのが非常に難しいとまとめた。アメリカGPでは7位となり、約20周にわたりジョージ・ラッセルを抑えた。ポジションを守ったことはレース遂行の良さを示すが、ラップタイムを引き出しにくいという本人の評価を変えるものではない。マクラーレンには、限界付近でもマシンをより扱いやすくする必要がある。

ステラは予選と決勝の違いにも触れた。予選では見込んでいた潜在力を十分にタイムへ結び付けられなかった一方、決勝では予選のようにすべての場所で限界まで攻める必要がなく、自然に余裕を残すため、かえって性能を引き出しやすいという。ノリスはフロントローを争う潜在力があると感じていたが、ステラはより慎重で、今季は全性能の活用が一貫して難しいと強調した。
INKA SPORTS分析:速さを増すと同時に、その速さを使いやすくする
チーム代表とドライバーの声を合わせると、マクラーレンには少なくとも二つの関連する課題がある。ノリスは特定のコーナー区間でのタイム損失を指摘し、ステラとピアストリは性能を引き出す難しさを強調する。前者は弱点となる区間で速くすること、後者はドライバーがマシン本来の水準に安定して近づけるかという問題だ。理論上の潜在力だけを増やしても、予選で使いこなせなければグリッド順位の改善にはつながらない可能性がある。
メキシコGPになお注目する価値があるのも、このためだ。ステラが大きな新要素はないと語った以上、当面は現行車から再現性のある走りを見いだす必要がある。オースティンの1ストップは一時的に上位をもたらしたが、新しいタイヤの相手が最後には追い抜いた。戦略で機会を作っても、それを守るには継続したラップペースが必要となる。今後の更新は、この二つの要求に照らして評価すべきだ。
まとめ
マクラーレンは次の明確な変更時期をブラジルとラスベガスに置いたが、目先の課題はドライバーがすでに示している。低速域でさらに速くし、限界付近でも扱いやすいマシンにすることだ。まずメキシコで現行車の力を引き出せるかを確かめ、その後に更新で具体的な弱点が改善するかを見ることになる。安定した表彰台争いはステラが掲げた目標であり、実際のサーキットでの走りで実現する必要がある。