表の第2列はメキシコシティ現地時間(UTC−6)、第3列は日本時間(JST / Asia/Tokyo、UTC+9)です。本文中の北京時間(UTC+8)とは区別してください。
2026年F1第19戦メキシコシティGPは現地時間10月30日から11月1日まで開催される。メルセデスは10月28日に公開したタイヤプレビューで、ピレリが今大会にC3ハード、C4ミディアム、C5ソフトを供給すると確認した。今季のドライタイヤのうち最も軟らかい3種類だ。標高2285メートルのこのサーキットでは、タイヤ選択は第一歩にすぎない。タイヤが安定して機能するかどうかは、薄い空気の中でのマシンのグリップや冷却性能にも関わっている。
隣接する3種類のコンパウンド、戦略の選択肢は実走で検証
今大会で各ドライバーに当初割り当てられるドライタイヤは、ハード2セット、ミディアム3セット、ソフト8セット。メキシコで過去に採用された、硬さが1段階飛ぶ組み合わせとは異なり、今年は連続する3種類のコンパウンドを使用する。メルセデスは、これにより戦略の選択肢が増え、2ストップの可能性も生まれると見ている。ただし、これはレース前の見通しであり、実際のピットストップ回数はタイヤの挙動やレース展開によって決まる。
タイヤの呼称は、シーズン全体のコンパウンド構成の中で捉える必要がある。2026年のドライタイヤはC1からC5までの5種類。今大会で「ハード」と呼ばれるC3は、この3種類の中で最も硬いという意味であり、シーズン全体の供給範囲で最も硬いタイヤではない。そのため、ハード、ミディアム、ソフトという名称だけで、メキシコと他の大会の耐久性を直接比較することはできない。
大きなウイングと高い直線速度は両立する
ハースのレース前の技術解説によると、メキシコシティの薄い空気はダウンフォースと空気抵抗を同時に減らす。非常に高いダウンフォース設定を採用しても、マシンは直線で高い速度を出せる可能性がある。一方、コーナーで得られるグリップは少なく、マシンのスライドやタイヤの摩耗にも影響する。大きなリヤウイングを装着していても、今大会では通常と同程度の直線速度の犠牲を必ずしも伴わないのは、そのためだ。

冷却も同時に抱える制約の1つとなる。メルセデスとハースはいずれも、空気密度の低下で冷却効果が落ちるため、パワーユニットやブレーキなどの部品を適正な温度範囲に保つ必要があると強調している。また、ハースのエステバン・オコンはフリー走行1でマシンを譲り、リザーブドライバーの平川亮が今季3回目のフリー走行1に参加する。オコンはフリー走行2から復帰した後、自身のセットアップ確認により集中して取り組むことになる。
メキシコGPの中国時間(UTC+8)による日程
| セッション | メキシコシティ現地時間(UTC−6) | 日本時間(JST) |
|---|---|---|
| フリー走行1 | 10月30日12:30 | |
| フリー走行2 | 10月30日16:00 | |
| フリー走行3 | 10月31日11:30 | |
| 予選 | 10月31日15:00 | |
| 決勝 | 11月1日14:00 |
上記はF1公式発表による各セッションの開始時刻。メキシコシティと北京の時差は14時間で、5つのセッションはいずれも中国時間(UTC+8)では翌日に当たる。したがって決勝は現地の日曜日に行われるが、中国のファンは月曜日未明のスタート時刻に注意が必要だ。
INKA SPORTS 分析:まずロングランの安定性、その後にピットストップ回数を判断
両チームの技術解説を合わせると、今大会の重要なトレードオフがより明確になる。チームはコーナーでのグリップを求めると同時に、高地による冷却面の負担にも対応しなければならない。連続する3種類のタイヤは比較できる選択肢を増やすが、それだけでは最速の戦略は決まらない。プラクティスで異なるコンパウンドを使い、連続走行した後の挙動を見る方が、1周の最速タイムよりも、チームが特定のレース戦略を選ぶ理由を理解しやすい。
まとめ:検証すべきは薄い空気へのマシン全体の適応
メキシコGPの注目点は、単に軟らかいタイヤに履き替えることではなく、グリップ、冷却、タイヤ性能の持続性が組み合わさってセットアップや戦略をどう左右するかにある。中国時間(UTC+8)の土曜日に始まるプラクティスが最初の現地データを提供し、月曜日未明の決勝でその判断が試される。事前に確定しているのはタイヤの組み合わせと日程であり、競争力やピットストップ計画は実走を待つ必要がある。